ベイクルーズグループのフレームワークスは、カジュアルからフォーマルまで、さまざまなシーンに使えるブラックだけのレディスブランド「アルディーノアール」を立ち上げた。加藤恵利子さんと奥沢彩子さんの2人の社員のアイデアを形にしたもの。同グループの、社員からの新事業提案制度「スタートアップキャンプ」の第1期として採用、商品化された。
アルディーノアールのコンセプトは「ブラックで女性は美しくなる」。「冠婚葬祭用の黒い服は選択肢が限られていて、おしゃれなものも少ない」と加藤さん。長年、カタログ作成などのクリエイティブ担当だったが、今はアルディーノアール専任だ。「エディット・フォー・ルル」MDの奥沢さんは、「店舗スタッフ時代、ワンピースを探すお客が毎日のようにおり、ブラックドレスを含めてワンピースのバリエーションがもっとあればと思っていた」
15年のスタートアップキャンプに応募した2人の案に共通点があったことから、担当者の勧めで、初対面の2人が共同で企画を完成させた。市場調査のため、百貨店売り場やセレクトショップなど他社の商品を見て回ったほか、消費者やプレス関係者からも意見を聞き、おしゃれなブラックへのニーズを実感したという。
デザイナーとも話し合いを重ねてでき上がった商品は、レース、シフォン、ベルベット、ファー、ブラックデニムなど、さまざまな素材を使った黒の服。シンプルだが、女性がきれいに見える形やディテールにこだわった。トリアセテート混のシンプルなワンピースやノーカラージャケットは、喪のシーンにも対応する。
女性らしい総レースのロングドレスをはじめ、スタイリングしだいでドレスアップしたりカジュアルダウンできるアイテムも多い。プリーツとレースを組み合わせたスカートは、サイドのファスナーを開いてエプロンのように巻いて着ることもできる。
レースとオーガンディの2枚の生地を重ねたブラウスは、ばらして1枚ずつでも使えて、揃いのスカートとセットアップにもできる。ワンピース3万2000円から、セットアップ4万円からなど。デビューシーズンはオリジナル商品で構成したが、今後は仕入れや協業も検討する。
販売は、10月から「スピック&スパン」の有楽町店、名古屋店、広島店内に期間限定店を設け、ECでも扱っている。今後は単独店の出店を目標とするほか、セレクトショップならではの新しい目線のブラックとして、百貨店販路の開拓も視野に入れている。