ファスサンファール 新機軸の新ブランド「F.」を今秋発売

2025/06/12 06:27 更新


ジェンダーレスの高級日常着「エフドット」

 専門店向け卸のファスサンファール(東京)が今秋、新ブランド「F.」(エフドット)を発売する。価格帯は同社の扱いの中で最も高くジェンダーレスで、実店舗運営にも挑むという新し物づくし。主戦場である卸売り事業が伸び悩むなか、新機軸のブランド投入で難局を打開する狙いだ。

 エフドットは、室内での着用も含めた高級な日常着。トレンドに左右されないコレクションで、ジェンダーレスに着られるようにした。既存の4ブランドはテイストが似通っていることもあり、スパイス的な役割を担う。コートやジャケットが7万~13万円、パンツ2万~4万円など。既存のブランドよりも2倍以上高い。2サイズで展開する。

 「ただ、高い」では通らないため、鉱物由来の素材を開発するアドエルムテクノロジー(東京)と協業し、機能性を取り入れた。リラックスできたり、逆に体をアクティブな状態に変化させたりするという。ニットやカットソー製品、デニム製品で出す。

 また、非フッ素の撥水(はっすい)加工を施したストールやブランケットも用意。製品加工だがカシミヤなども風合いを保てるという。エコテックス(スタンダード)認証を取得したもので、3サイズ作ったブランケットはアパレル店以外のチャネル開拓も検討している。

 専門店への卸と、ECを含めた直売の両面で市場開拓する。既存ブランドに比べ型数が少ないこともあり、一定の塊で見せられる専門店と取り組みたい考え。一方の直売は他ブランドも含めたショールームのような実店舗を来春、都内に開きたいとしている。付き合いのなかった都心の商業施設を想定している。

 都谷(おがい)直文取締役は「45年間、卸主体でやってきたが、販売先は細っている。一方の自社ECは年率3割ほど伸びていて好調。卸をおろそかにするわけではないが、直売にも力を入れたい」と話す。ECサイトは9月にオープンする。



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