福岡のFFB、若手のショーで街を活性化

2017/02/20 11:39 更新


 エフ・エフ・ビー(福岡市、本田義博社長)が運営する福岡ファッションビル(FFB)が、福岡の若手3ブランドを集めてビル内でショーイベントを行った。

 FFBは開業36年目で、ミセスブランドを中心とした卸センターやイベントホールの機能を持つ。ただし、アパレル業界全体が低迷する中、近年はテナントの空室が増えている。博多駅からすぐという立地もあり、オフィスとしての需要も高まっているが、「ファッションの軸はぶらしたくない」(本田社長)と、若いデザイナーを支援し、FFBや福岡ファッション全体の活性化を狙っている。

 ショーをしたのは、「デコード」(ヤマダカズキ)、「和洋折衷」(小西航太)、「またどまーじゅ」(内野陽介)。どのブランドも福岡を拠点に活動しており、立ち上げから5年以内だ。デコードはデニムのリメイクによるドレスやビュスティエ、和洋折衷はジャージーのリメイクによるストリートスタイル、またどまーじゅはギャザーやフリルたっぷりのガーリーな世界を表現した。

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デコ―ド
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和洋折衷
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またどまーじゅ

 ショーと連動し、3月1~17日には、福岡パルコの「ウォール」で3ブランドの期間限定店を開く。同18~26日の「ファッションウィーク福岡」期間内には、FFB1階で展示もする。

 ショーには、地元のファッション関係者やモデル事務所関係者、メディア、ウォールの顧客など約300人が来場した。「ショーという場を作り、売り場につなげることで、若手デザイナーを支援したい。彼らが将来的にFFB内に店を持つなど、帰ってきてくれたら嬉しい」と本田社長。「デザイナーだけでなく、地元のモデルなどにも光が当たる機会になれば」と話す。

 福岡市は地方創生の一環として、クリエイティブ関連産業の振興に力を入れている。デジタルやIT情報技術分野が主だが、ファッションも対象の一つだ。FFBも「市の方針とリンクし、今後も若手ブランドのショーを継続していきたい」という。

■オリジナリティー伝えたい 「またどまーじゅ」デザイナー内野陽介

 マニュアル化されている世の中にオリジナリティーの重要性を伝えたくて、凝ったディテールの服を作りました。今は東京や大阪の専門店数軒と取り引きがあります。

 10年に福岡の大村美容ファッション専門学校を卒業した後、香港のカットソーメーカーに呼ばれて半年間働き、帰国した後にブランドを本格的に始めました。アーティストの衣装を手掛けてみたいから、東京に行きたいと思うこともあります。でも、東京では物作りを急かされそうだし、知らず知らずのうちに何かに似たものを作ってしまいそう。やっぱり福岡がいいなって思います。

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「またどまーじゅ」デザイナー内野陽介

■九州ブランドを集積 ウォール福岡店

 ショーと連動し、期間限定店を開くウォール福岡店(アッシュぺーフランス)は、福岡や九州のブランドの紹介に力を入れている。

 現在扱っているのは、長崎発のアクセサリー「ジュビリー」や沖縄の「ピクチャーズ」など5ブランド。「SNS(交流サイト)が発達し、場所が関係なくなったと言われる中、地方店に足を運ぶ理由を作るとともに、地元の人に地元の物を知って欲しい」と考え、14年から東京店や大阪店とは異なる品揃えを導入している。それ以降、売り上げは毎年前年を上回っているといい、3月には増床リニューアルを予定している。

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ウォールで扱う長崎発のアクセサリー「ジュビリー」


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