「ガブリエラ・ハースト」は22年リゾートコレクションのイメージソースに、1960年代後半から70年代初めに「ヒピテカス」と呼ばれたメキシコ人ヒッピーと、彼らが起こしたアバンギャルドなカウンターカルチャー運動「ラ・オンダ」を選んだ。ラ・オンダは女性の権利、エコロジー、精神性、芸術的自由、ドラッグの非犯罪化、民主主義を推し進めようとした運動である。
クロシェやマクラメ、マチュピチュやアスペンの風景画の編み込み模様を取り入れつつ、ハーストならではの力強さと存在感のある現代的な服に仕上げた。総レースのスカートはカスタムメイドで、メキシコのミトラ遺跡に見られる幾何学模様を模している。ベアショルダーのロングドレス、ボリュームたっぷりのニットのポンチョ、け回しを大げさなくらいに広げたベルボトムパンツなど、カッティングとボリューム感で主張する服が多い。
素材の49%はデッドストックまたはアップサイクルの素材を使った。
(ニューヨーク=杉本佳子通信員、写真=Zoe Ghertner for Gabriela Hearst)