大手GMS(総合小売業)は、11月のブラックフライデーで、物価高騰下で進む生活防衛意識に応えるとともに、国内を中心とした旅行需要の高まりなどに対応、品揃えを広げて拡販を目指す。
イオンリテール 売り上げ14%増へ
イオンリテールは11月18~27日の10日間、東北を除いた本州と四国の「イオン」「イオンスタイル」350店とオンラインで前年を10%上回る対象商品1400品目を揃える。11月2日に予約販売を開始する。
「16年に開始したトップランナー」(西垣幸則取締役常務執行役員デジタル・営業推進担当)の同社でブラックフライデーは年間最大規模のセールに育っており、生活防衛や節電のニーズに応える。一方でウィズコロナで楽しむ「二極化が進んでいる」として、旅行用品などの販売に力を注ぐ。キャリーケースはすでに19年を上回る動向になっており、ジッパータイプ(Sサイズ・本体7000円)などの商品を投入、さらに押し上げることを見込む。
このほか、円安のもとで国産を見直す動きに応え、衣料品でも「オカヤマデニム」(3000、4000円」のバリエーションを広げ、播州織のメンズシャツ(3000円)も揃える。重点としているZ世代対応では、アニメ「名探偵コナン犯人の犯沢さん」と協業してプルオーバー(2980円)などを販売、発信にも取り組む。
各エリアごとに地域の名産品などを打ち出す企画も用意している。
これらによりECの2.3倍も含め前年を14%上回る売り上げを見込んでいる。
イトーヨーカ堂 対象商品を1.5倍に
イトーヨーカ堂は11月15~27日の13日間、126店とオンラインで実施する。店頭、オンラインでの予約販売は10月28日にスタートしている。衣料・住居関連で101種類、食料品で53種類と対象商品を前年の1.5倍に拡大、生活防衛意識の高まりなどに応える。
店頭に黒い商品を集積、アピールを強めることにしている。衣料品では黒字に白線で描いた「スヌーピー」のトレーナー、パーカ(3000円)などを揃えている。