ファッションブランド「グラフペーパー」(運営アルファ)は、旗艦店や食、アートなどの3業態が併設された複合型ショップを東京・参宮橋に開いた。ショップ全体をディレクションしたのはアルファのファウンダー兼クリエイティブディレクターの南貴之氏。「人間の五感すべてに訴えかけることで、第六感としてのインスピレーションを促すこと」を目的に、2フロア(1階104平方メートル、2階152平方メートル)で、これまでとは一線を画す新たなコンテンツを組み込んだ。
1階には、「寄り合い」をコンセプトに、全国各地で出会いキュレーションし、厳選したワインやオリジナルのクラフトビールとともに味わう角打ちスタンド「寄」(よせ)が入る。コの字のカウンターの先頭にはDJブースを設け、音楽をつまみに酒も楽しめる。「セレクト・キュレーション・オリジナル」などのファッションのセレクトショップにおける考えを食に落とし込んだ。
同階には、オリジナルのマーチャンダイズやレコード、アートブックなども販売する新レーベル「ベクターショップ」も導入した。新たなカルチャーの発信の場として様々なアーティスト・クリエイターと協業。 同フロア内のガレージにギャラリースペースも設け、食・アート・カルチャーが融合した新たな体験価値を提案する。
2階は、グラフペーパーの旗艦店。ベーシックラインとコレクションラインをフルラインで揃えたほか、コペンハーゲンのデザインブランド「フラマ」との協業によるショップ・イン・ショップも設置した。また、同店限定コンテンツとしてグラフペーパーを象徴するジャケットやトラウザーズなどを販売。サロンスペースも併設し、「トーマスメイソン」の生地が選べるシャツをパターンオーダーできる。店内の什器には日本を代表するインテリアデザイナー内田繁氏のプロダクトを採用、そのほぼ全てをオーダーすることができ、ショールーム機能も兼ねている。
ショップを構成するあらゆる要素に、グラフペーパーの哲学を投影し、衣食住の全てを網羅した空間となった。南氏は「服だけでなく、カルチャーなど間口を広げることで、色々な人が集う場を作りたい。そのためにはリアルな空間で体感してもらえるのが一番」と強調した。