「ヨシオクボ」「ミュラーオブヨシオクボ」などを企画・生産するグランドフロアー(東京・目黒区、久保嘉男社長)は昨年末、直営の「グランドフロアーギャラリー」を自社オフィス内にオープンした。これまではショールームだったスペースで、メンズのヨシオクボ、ウィメンズのミュラーオブヨシオクボ、ユニセックスの「アンデコレイテッド」の3ブランドを販売する。金曜日と土曜日の週2日を一般開放の営業日とし、平日は予約制で運営する。
「自分たちでパターンを引いて、凝った物作りをしているブランドの良さを伝えるには、実物をしっかり見てもらう場が必要だと思う」とデザイナーの久保は話す。卸売りがメインであることに変わりはないが、「セレクトショップの商品構成が変わってきて、にぎやかさを出す存在」であっても、ブランドを深く知ってもらうほどのラインナップには至らないことに課題があった。「シンプルなアイテムを好む消費者が多い現状では、僕たちはアートや嗜好(しこう)品なのだと感じるようになった」。
かねてから自社ECも運営しているが、「デジタルの画面で作風は伝わっても、ディテールや風合い、着心地を伝えるには限界がある」。例えば25年秋冬のMA-1は、透ける素材に羽根を挟んで縫い合わせて装飾したが、写真ではプリント柄にしか見えない。「自分で一から考えて形にしているデザイナーの仕事を手に取って感じてほしい」という。

