これからのファッションを扱う店頭では洋服を売りっぱなしにしていては顧客との信頼関係は深まりません。接客時にしっかりとメンテナンスなどアフターケアまで伝えられることがリアル店の強みとして求められています。
クリーニングが難しい素材のお手入れやメンテナンスについて「ケアメンテ」サービスを提供するハッピーの橋本英夫社長に聞きました。ぜひ、接客に使ってみてください。
高級なレザーウェアの普段のお手入れ、アフターケアは。
購入直後の予防策が大事。レザーウェアで多く寄せられる悩みには①皮脂汚れ②レインスポット(雨の跡)があります。雨の日に付きやすい染みも襟裏や袖口などの皮脂汚れも、放っておくとレザーが固くなってしまいます。
一般的な予防策としては、レザーウェアを購入後すぐに市販の撥水(はっすい)スプレーを吹き付けることをお勧めします。そうすると、水をはじく性質に加え、汚れが付きにくくなります。それでも汚れてしまった時は家庭での処置は難しいので、クリーニングやリペアなど専門家に任せた方がよいでしょう。
当社でも撥水加工はしています。さらに「レザーグレイン再現加工」では、革の表面部分の銀面が摩擦や衝撃などで剥がれ落ちて革の自色が露出してしまった状態から、特殊樹脂により銀面を再現し、その後に色調・色彩を新品のようにする塗色・補色します。
従来のリペアでの〝色かけ〟の手法では、すぐに色が剥がれて使用に耐えられなくなるので、耐久性などがまったく違ってきます。
少し使い込んだレザー製品の場合、日焼けして色が薄くなったり、経年変化したりするので、部分修正する際に新品のようなピカピカだと違和感が生じるため、職人の微妙なさじ加減でビンテージ調の色あいに仕上げることで全体となじませます。
レザーウェアの袖口はもちろん、靴のつま先やかかと、バッグの縁やハンドルの修復に最適です。
【続く】