ファッションビジネス業界の新卒採用で企業の求人が大きく変わった。就職活動をする学生にとって厳しい状況が続いている。コロナ禍による経営の悪化で、採用市場は急速に縮んだ。3月に卒業予定の学生の内定率が3~5割という服飾系専門学校も多く、昨春までの売り手市場から買い手市場に一変した。22年卒の採用も前年より減らす企業が大半を占める。「就職氷河期以上に悪い状況になる」と危惧されている。
(河邑陽子)
EC人材には需要
ファッション業界の大手就職サイトでは昨年4月ごろ、説明会の参加募集や予約可能な企業が大幅に減少した。4、5月の採用凍結後、選考途中で採用を中止する企業が続出し、一気に買い手市場に転換した。大手でも期初計画より採用数を1ケタ減らしたり、欠員補充だけとしたりという会社がほとんど。19年夏から選考を始めて昨年3月までに内定を出せた企業もあるが、最終面接まで進めて秋になってゼロ採用で終わったり、内定取り消しや倒産に至った事例もある。
文化服装学院でも「1月になっても求人件数は例年の6割強、求人数で7割の水準」。他校でも「求人数は前年の3~4割で学生数より少ない。知名度の低い企業でも、求人があると応募者が殺到して厳しい。中途採用の求人も激減して質の高い経験者が採れるため、中途採用を優先する企業もある」という。
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