BtoBマーケットプレイスのhomula ユーザー目線のサービス提供で成長

2023/02/21 10:59 更新


福地社長CEO

 BtoB(企業間取引)のオンラインマーケットプレイスを運営するhomula(ホムラ、東京、福地峻社長CEO=最高経営責任者)がユーザー目線のサービス提供で成長している。ブランドなどサプライヤーと小売店のバイヤーをプラットフォーム(PF)上でマッチングさせる事業。21年6月にサービス開始してから、サプライヤー450ブランド、小売り5000店近くが登録。ユーザーに寄り添ったサービス設計が評価され流通総額を伸ばしている。このほどニッセイ・キャピタルをリード投資家に資金調達し、累計調達額は3億2000万円となった。

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 外資証券出身の福地社長は、中小の証券会社に金融商品を卸販売する業務で、効率化のためのビジネスを社内で立ち上げた経験がある。自身が好きだと言うファッションの業界も同様の課題があると踏んで起業した。社名及びサービス名は、炎を意味する「焔(ほむら)」から取った。

 流通総額は右肩上がりで、22年9月単月の比較だが実績比で19倍と伸ばしている。PF成長の背景はユーザーの使い勝手の良さ。仕入れ・メーカーの双方に取引しやすい環境を整えており、発注側の支払いはいったん同社が行い、60日後に払ってもらう。初期・運用費用もかからず、取引成立時の手数料が同社の収入になる。

 小売りバイヤーは質の高いブランドの仕入れを後払いでき、ブランドは手間と余計なコストをかけずに新規卸先の開拓ができる。ブランドも大手には営業をかけるが、地方の中小小売りにまでは手が回らない。受注から在庫販売まで、代金回収の心配がなく卸売り業務をワンストップで完結できる。

 出展者は審査しPFの質を保つ。商品の信頼性や、対応力を含めた取引実績、ソーシャルメディア運営など運営実態をみる。「出展者は並びも意識する。一定の感度が必要」。小規模ブランドも少なくないが、最近では国内外の大手も出店。カイタックグループやコロネット、大磯産業、豊島などはその一例で、グローバルブランドの出展も決まっている。仕入れ側も支払い能力の有無など与信審査がある。現在の登録者の構成はファッションが約7割、雑貨が約3割。

 サービス開始1年半で滑り出しは順調。競合のPFにも出展しているブランドは多いが、取引量や金額でもほとんど上回っているという。「ユーザーに寄り添ったサービス設計やオペレーションが評価された。さらにユーザー基盤の改善に真しに取り組む」と福地社長。調達資金は採用やマーケティングコストに充て、サービス認知も広げたい考えだ。

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