「夢」を分かつ銀幕の世界《ドリーム・ガールズ編》(宇佐美浩子)

2020/12/15 06:00 更新


世界各地で想定外の日常を余儀なくされた2020年。

オンラインによるイベントやミーティング、さらにはウェディングや飲み会など、さまざまな持続可能な新しいスタイルが展開されています。

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たとえば映画祭においてもまた同様で、イタリア文化会館の前で偶然目にした下記の告知「イタリア映画祭2020」のように、オンラインで楽しむといったケースも主流になりつつあるのがニュースタンダード!


そうした日々の中で、忘れ難い別れもあれば、思いがけない出会いもあったかなぁと…

そこで12月の「CINEMATIC JOURNEY」は、「『夢』を分かつ銀幕の世界」をメインテーマに、「ドリーム・ガールズ」&「ドリーム・ボーイズ」の副題と共に2部構成で、それぞれの1年を振り返りつつ、今年のフィナーレを飾りたく思います。

まずはレディー・ファースト的に「ドリーム・ガールズ編」。

ということで現在公開中の『ノッティングヒルの洋菓子店』からスタート!


❝なんておいしそう!❞

と、思わず口をついて出てしまいそうなケーキの数々。

資料を見ると、それらは「ロンドン1」の人気を誇ると噂のデリ「オットレンギ」が全面協力しているのだとか。

本作は、その人気デリのシェフ、オットレンギの愛弟子という設定のパティシエ、サラと、親友イザベラが共同経営者として、念願の洋菓子店をロンドンの人気エリア、ノッティングヒルにオープンするという夢のプロローグからスタートする。

ここで予断ながら…

ノッティングヒルという名を目にすると、瞬時にかつてのヒット作『ノッティングヒルの恋人』を、懐かしく思い出すゼネレーションの読者もおいででは?かくいう筆者もその一人で…(笑)。

ともあれ、そんな夢物語はサラの事故死という悲劇と化してしまうことから、新たな展開となる。


参考までに、本作の「ドリーム・ガールズ」的キーワードを下記にまとめてみた。

☑「マンマの味」ともいうべき、故郷の味は人々の心を和ませる。

旅することが不自由な今、そうした味覚体験を旅することは、バーチャルかつフィジカルな楽しみ。

☑「抹茶」×「スイーツ」は黄金のマリアージュ!?

年を追うごとにバリエーションが増えつつある「抹茶」を用いた洋菓子。茶道界の巨匠たちが、ビックリするような組み合わせなのかもしれないが、その未知なる味覚の旅は、世界の人々を魅了していると思われる。そして私たち日本人もまた同様かも。

スイーツ好きには「納得!」のキーワードが、アレコレ登場するのではないかと思われる本作。

仮にスイーツ派ではない方でも、時節柄、思わず今年のクリスマスケーキは…などと夢が膨らみそう。


『ノッティングヒルの洋菓子店』

ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開中

© FEMME FILMS 2019



ここで少しばかり、前述の「抹茶」のケーキに着想を得て、本日までに取材した東京発の「クリスマスケーキ」の話題をシェアしたく!


思わず歓声を上げたくなるほど「美しいバラ色のケーキ」との出会いは、「ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ」の「ザ・ショップN.Y.ラウンジブティック」エグゼクティブ シェフ パティシエ、德永純司がプロデュースするクリスマスケーキの一つ。

「ROSY」というネーミング通り、ルビーチョコレートを使ったロマンティックでエレガントなケーキは、バラの花束を思わせる、徳永パティシエの輝かしいキャリアと重なる。


一方、東京の旅のシンボルともいうべき東京駅。その改札内に今夏誕生したエキナカ商業施設「グランスタ東京」が加わり、改札外の「グランスタ丸の内」と共にパワーアップして迎える今年のグランスタのクリスマス

一人でも二人でも、大勢の家族でも楽しめる多様性に富んだセレクションに、思わず迷いが隠せない。たとえば上記のような「いかにも!」なデザインの限定品なども登場。

なお予約受付(店頭またはネット)には、ピックアップにも便利な「ネットでエキナカ対応」もあるとのこと。(予約状況など要チェック)

「『夢』を分かつ銀幕の世界」をメインテーマに、「ドリーム・ガールズ」を副題に巡っている今回の「CINEMATIC JOURNEY」。ゴールは、先週末に公開になったばかりの『ネクスト・ドリーム/ふたりで叶える夢』


音楽を愛する人なら、また女性ならより一層、親近感を抱くに違いないストーリーが、人との距離感をキープしながら歩んだ2020年のフィナーレを、温かく包んでくれる。

ダコタ・ジョンソン演じるマギーは幼い頃から憧れていた音楽プロデューサーへの夢を抱く、歌姫グレース・ディヴィス(トレイシー・エリス・ロス)の付き人として日々奔走しながらも、目指す道をあきらめることなく、密かに歩みを続ける若き女性。

一方、頂点を極めた歌姫もまた現状打破を願う気持ちと、未来への不安を抱く日々。

そんなある日、プロのミュージシャンを目指す若者デヴィッドとマギーが出会い、物語は新たな展開を見せていく。


ここで前述の作品同様、本作を楽しむキーワードをいくつか。

☑歌姫役の実の母は伝説の歌姫

名前からも察しがつくように、あのダイアナ・ロスが母。女優、プロデューサー、脚本、監督ほかマルチに活躍している彼女だが、歌声を披露するのは本作が「初」となる。

☑音楽は重要なキャスト!

15歳からキャリアをスタートし、若くして成功を収めた「生きる伝説」と称されるスーパープロデューサー、ロドニー・”ダークチャイルド”・ジャーキンスが本作の音楽プロデューサーを担当。オリジナル制作された楽曲が登場人物と絶妙なハーモニーを奏で、物語をより一層味わい深く演出。

輝かしい業績を記したリストの中には、マイケル・ジャクソン、マドンナ、ジョージ・マイケル、ビヨンセ、レディー・ガガほか名だたるアーティストがずらりと並ぶ。

劇場を後にする頃には、「誰かと何かを実現したい」スイッチが入っているかも?!


『ネクスト・ドリーム/ふたりで叶える夢』

全国公開中

配給:東宝東和

©2020 Focus Features, LLC. All Rights Reserved.


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うさみ・ひろこ 東京人。音楽、アート、ファッション好きな少女がやがてFMラジオ(J-wave等)番組制作で長年の経験を積む。同時に有名メゾンのイベント、雑誌、書籍、キャセイパシフィック航空web「香港スタイル」での連載等を経て、「Tokyo Perspective」(英中語)他でライフスタイル系編集執筆を中心に活動中



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