おいしい生活文化(宇佐美浩子)

2022/05/13 06:00 更新


「さりげなく予告!」そんな「食×ホテル」の話題で幕を閉じた前回の「CINEMATIC JOURNEY」。その延長線上に当たる今回は、「おいしい生活文化」と題して、新作シネマと共に、国内外の旅をご一緒してみたいと思います。

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さて、かつての日本の食卓における定番スタイル「黙食」が再び主流となった今。だからこそ、ちょっとラグジュアリーに「ホテルでソロ・カフェ気分⁉」を味わう、現在公開中の『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』の1シーンが心に残るのは筆者だけではないかも?


というわけで、マンハッタンにそびえる老舗高級ホテル「ウォルドーフ・アストリア・ニューヨーク」にて、作家志望のヒロイン、ジョアンナが「“特別な日”に父親に連れられてきた」と語る一幕が印象的な本作。

見るからにリッチで、おいしそうなチーズケーキを食べながら辺りを見渡す彼女の視線の先には…

真剣に何か書き物をしている女性や、ワインを飲みながら雑誌「ザ・ニューヨーカー」を読む男性の姿。つまり「おいしく黙食タイム!」をそれぞれのスタイルで味わっている様子。


さて、そんなホテル・シーンの一コマに、さりげなく登場したJ.D.サリンジャーの代表作「ライ麦畑でつかまえて」の初版本。実はこちらが本作の要となるモノなのです。

なぜならヒロインの勤務先となるニューヨークの老舗出版エージェンシーで、サリンジャーを担当。かつまた彼女の上司にあたるベテランエージェント(シガニー・ウィーバー)が、彼の担当という設定なのですから。

ちなみに前述のホテルでカフェも素敵ですが、ファッションも見逃せません。とりわけ、シガニーの衣装を担当する超ベテランの衣装デザイナーのアン・ロスは、彼女とは長年タッグを組んでおり、またNYに暮らす人物が登場する作品を多数手がけてきた、まさにNYファッションの生き字引とも称したい人物なのだそう。ご注目のほど!


マイ・ニューヨーク・ダイアリー
新宿ピカデリー、Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー中
9232-2437 Québec Inc - Parallel Films (Salinger) Dac © 2020 All rights reserved. 


さて、昨今のホテル事情も変化を遂げる中、家族の一員であるペットと共に滞在可能なホテルが増えつつある。

とりわけ、愛犬との時間を大切にするゲストにとっては、昨夏の「“ワン”ダフルサマー21」でも紹介したように、さまざまな趣向を凝らしたラインナップが好評とのこと。


たとえば、愛犬たちだって「おいしい生活文化をホテルで体験してみたいワン!」と思っているかも?

そんな筆者的発想の、愛犬と一緒にステイするプラン「PAW-WELLNESS(パウ・ウェルネス)」が、オークウッドスイーツ横浜及びオークウッドホテル&アパートメンツ麻布にて、このほど好調なスタートを切ったそう。

その魅力となる2大柱が下記。

☑「better sleep better you(よりよい人生に、よりよい睡眠を)」をモットーとする「グーグースリープ」が犬用に開発した、低反発と高反発の2層構造によるマットレスが特徴の犬用のベッド「gugu ドギー」でグッスリ!

☑獣医師・ペット栄養管理士監修のもと、厳選された食材と犬用の栄養価で、安心安全な犬の手作りごはん「HITOWAN」のキューブご飯とドライフードを召し上がれ!

キッチン完備のお部屋で、家族とゆったり「おいしい」時間を過ごせそう。


「おいしい生活文化」を味わう今回の「CINEMATIC JOURNEY」。人も犬も一緒にゴールへと向かう先は、こちら『劇場版 おいしい給食 卒業』。


ドラマシリーズ1&2いずれも支持者続出との評判も高い『おいしい給食』。

市原隼人演じる給食マニアの教師と、対等の生徒・神野ゴウによる「どちらが給食をおいしくたべるか」バトルがいよいよ卒業となる。

❝給食は子供たちが大人抜きで味わう初めて外食❞

このセリフの奥深さに、心に熱い思いがよぎる方も少なくないのでは?また給食のみならず下校時の駄菓子屋の買い食いも、ノスタルジックなおいしいスパイスに。


前述の台詞同様、数々の名言が登場する本作。中でも市原さんいわく、名言中の名言と語るのが下記。

❝食を分け合うというのは、もはや配偶者❞

そのセリフが登場するのが、まさに駄菓子屋にて甘利田先生と、ヒロイン・同僚の早苗先生との一コマ。舞台の設定が1986 年とあり、早苗先生のファッションも肩パッド入りという、ノスタルジックなスタイリング。また衣装のクレジットにあった「VAN」の3文字も、時代感を演出している。


劇場版 おいしい給食 卒業
5月13日(金)より新宿シネマカリテほか全国公開
配給:AMGエンタテインメント
Ⓒ 2022「おいしい給食」製作委員会


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うさみ・ひろこ 東京人。音楽、アート、ファッション好きな少女がやがてFMラジオ(J-wave等)番組制作で長年の経験を積む。同時に有名メゾンのイベント、雑誌、書籍、キャセイパシフィック航空web「香港スタイル」での連載等を経て、「Tokyo Perspective」(英中語)他でライフスタイル系編集執筆を中心に活動中



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