【記者の目】旧スパイバーの経営破綻から考える 注目ベンチャーを阻む〝死の谷〟

2026/07/06 14:00 更新有料会員限定NEW!


タイで量産プラントを立ち上げたが、商業化まではたどり着けなかった

 素材ベンチャーの旧スパイバー(山形県鶴岡市、関山和秀代表)が3月に私的整理し、新生スパイバー(同、川名麻耶CEO=最高経営責任者)に事業を譲渡した。人工たんぱく質「ブリュード・プロテイン」(BP)事業は新会社が引き継ぎ、取引先の協力も得ながら社会実装を目指す。一方、日本を代表するユニコーン企業として期待された旧スパイバーの経営破綻は、ディープテック企業の事業化の難しさを改めて示すものとなった。

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 旧スパイバーは資金調達額の累計が1000億円を超える有力ベンチャーで、企業価値が10億ドルを超す国内屈指のユニコーン企業として注目された。創業者の関山氏と菅原潤一氏が07年に設立、遺伝子組み換え技術とたんぱく設計技術に強みを持ち、微生物発酵によって生成した人工たんぱくの社会実装を目指した。鶴岡市に本社および研究拠点を置き、湿式紡糸設備も設けた。

米で量産目指す

 18年には人工たんぱくBP初の量産を目指してタイ子会社を設立、コロナ禍の苦難を乗り越え、22年夏から本格稼働を開始した。年100トンを2~3年後には500トンまで引き上げる計画で効率化や技術向上を進めていた。

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