カラフル・ウーマン その①(宇佐美浩子)

2023/02/28 06:00 更新


©Louis Vuitton

上記は今月19日 (現地時間)、イギリスで開催された第76回英国アカデミー賞(BAFTA)授賞式にて、トッド・フィールド監督による16年ぶりの最新作TAR/ターで、主演女優賞を射止めたケイト・ブランシェット、感動の一コマ。

この日、彼女がまとったハイジュエリーの数々は、いずれもアンバサダーを務めるメゾン「ルイ・ヴィトン」のコレクションとのこと。

まずは個性的デザインが目を引く、23.78カラットのナイジェリア産トルマリンを中央に配し、メタリックなタヒチ産パールを手作業で連ねたというカスタムメイドのネックレス。さらに、お揃いのメタリックなタヒチ産パールのイヤリングや、ハイジュエリーコレクション「ステラー タイムズ」からホワイトゴールドとダイヤモンドのリングも身に着けているのだとか。

なお同作では上記以外にも名だたる賞に輝いた彼女。そのキャリアと共に、オトナの色香もアップデートし続ける女優の一人として注目している。

そこで、今回の「CINEMATIC JOURNEY」は、3月8日の「国際女性デー」に向け、2日連続で昨今の時代背景も踏まえ「カラフル・ウーマン」をテーマにご一緒したく!

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まずは現在公開中の『エンパイア・オブ・ライト』から。


残念ながら主演女優賞は逃したものの、「第80回ゴールデングローブ賞(ドラマ部門)」にノミネートされたオリヴィア・コールマン。その演技力は、アカデミー主演女優賞受賞をはじめ数々の受賞歴を誇った『女王陛下のお気に入り』で実証済みだ。

「様々な心の状態を演じ分けるのは楽しかったわ」(プレス資料より)と語るコールマンの表情、そして服装がカラフルに変化するシーンとの遭遇もまた、ある種の「心の旅」気分を味わえる。

また3月17日公開の長ぐつをはいたネコと9つの命では、声優としての実力も発揮している。


一方、映画、そして映画館への愛、さらには人間愛にあふれる本作。世界的「コロナ禍」の時代を体験した今、多くの映画にまつわる人々のコメントに登場する「映画館」という言葉の裏には、やはりメンデス監督の下記のコメントがその神髄をついているように思う。

「どこにもなじめない人が安らぎを求めに来て、映画を一緒に観て喜びを分かち合う場所だ」(プレス資料より)

それはまた本作の台詞のない主人公かつ舞台となる、1930年代に建てられた元映画館「Dreamland」に象徴される。アールデコ様式のエレガントな色彩のたたずまいで、重要な役割を演じている。

そして映画が完成するまでのプロセスにも通じる、互いに協力し、思いやりをもって助け合うことの大切さを、メッセージ性のある80’sサウンドと共に再認識するのでは。


エンパイア・オブ・ライト

全国ロードショー中
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.


3月8日の「国際女性デー」に向け、2日連続で「カラフル・ウーマン」をテーマに巡る今回の「CINEMATIC JOURNEY」その①の今回は、「カラフルに輝く女優」目線のシネマ。続いて注目する女優は同じく現在公開中の『アラビアンナイト 三千年の願い』のヒロイン、ティルダ・スウィントン。そして偶然にも前述のオリビア同様、ブリットだった。


なぜか彼女が登場するシネマに心引かれることの多い筆者としては、本作も似たような感覚で鑑賞し、そしてまた納得!

あらゆる意味でユニバーサルな色香が魅力の彼女らしい本作は、学者という役柄なのだが、ユーモアのセンスと、3000年という気の遠くなる歳月を孤独と闘った魔人とのロマンスなど、オトナ心に温もりを与えてくれる、「アラジンと魔法のランプ」で有名な「アラビアンナイト」をモチーフに完成したおとぎ話。

そしてジョージ・ミラー監督が90’s後半から映画化を模索し続け、願いが結実した本作をより一層魅惑的な物語へと昇華させた、衣装デザイン担当のキム・バレットいわく「衣装にも物語性を持たせた」そう。

中でも彼女のお気に入りは、「征服したバイキングの金髪で仕立てたシバの女王のドレス」とのこと。是非スクリーンでご覧になってみては!


アラビアンナイト 三千年の願い

TOHOシネマズ 日比谷他にて全国公開中
配給:キノフィルムズ
© 2022 KENNEDY MILLER MITCHELL TTYOL PTY LTD.


「カラフル・ウーマン」をテーマに巡った今回の「CINEMATIC JOURNEY」その1「カラフルに輝く女優」目線のシネマ。

ここで「カラー」にまつわる楽曲と最新コレクションのマリアージュに、絶妙な残り香を味わった「RYNSHU」2023年秋冬コレクション「Love Me Softly, Hug You Lovingly」の話題を少しばかり。

音楽に精通しているタイプでなくても、きっと耳にしたことがあるのではないかな(?)と思われるフレーズ「True colors」!

親日家としても知られるミュージシャン、シンディー・ローパーの代表曲だ。ココロ潤す歌詞と彼女の歌声がエバーグリーンな感動を与えてくれる。

そんな思いを新たにしたのが、このほど発表されたばかりの「“ありのままのあなた”を、“揺るぎない愛”で包む、エレガントに、そして優しく、心に灯をともす」。RYNSHUの最新コレクションの数々に、更なる輝きを与えてくれた「Artist Against Bullying」によるカバー曲だった。


See you soon, tomorrow!!

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うさみ・ひろこ 東京人。音楽、アート、ファッション好きな少女がやがてFMラジオ(J-wave等)番組制作で長年の経験を積む。同時に有名メゾンのイベント、雑誌、書籍、キャセイパシフィック航空web「香港スタイル」での連載等を経て、「Tokyo Perspective」(英中語)他でライフスタイル系編集執筆を中心に活動中



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