「展示会の効果的な取り組み方は?」「バイヤーはどんな視点で展示会をまわっているのだろう」──展示会に出展するブランドの、そうした疑問に対してヒントになるプチセミナーがこのほど、JFWインターナショナル・ファッション・フェア(JFW―IFF)開催概要説明会内で開かれた。JFW―IFFの常連出展者であるグレースの岡田和弘営業部部長、ハーレムドライブの松本哲治社長が出展時の工夫などについて話したほか、シップスKhajuバイヤー、大森雅代さんが展示会の活用法などについて語った。(2013/05/08付繊研新聞に掲載)
”来場者とのコミュニケーションの場”
IFFの過去27回中、25回出展しています。最初は1小間でしたが、徐々に拡大して今では6小間になりました。小間を拡大してきたのはブース自体をショップのように見せるため。「この帽子だったらこの角度が一番カッコイイ」など、店頭でのVMDの参考にもしてもらえるような作りを心掛けています。
来場者とのコミュニケーションを重視しており、会期中は営業スタッフ全員に加え、企画スタッフも複数でブースに立ちます。来場者への対応は試行錯誤ですが、店頭の接客と同じレベルでのアプローチにも取り組んでいます。
自社展と使い分け
都内での自社展とIFF、地方での自社展を使い分けています。自社展はサンプルを陳列するプレゼンテーションの場。地方での自社展は東京に来れなかったり、もう一度見たいという得意先に向けています。
自社展はシーズン立ち上がり商品、IFFはシーズンの全商品を展示するので、展示会前に送るダイレクトメールでは、その内容を告知します。来場者は自社展はバイヤーやマネジャークラスが中心ですが、IFFにはショップスタッフや店長の方にもご案内しています。
思いがけない出会いも
IFFでは新規客獲得のため、10年前から来場者をファイリングしています。以前は個店のバイヤーが中心でしたが、4小間に拡大してからは、大手小売業のバイヤーの来場も多くなり、商談や受注につながるようになりました。商品は帽子で手に取りやすいのですが、やはりかぶってくれる方は中でも興味を持ってくれていると感じます。単価は4000円ほどでカジュアルな商品なのですが、ミセスに強い百貨店のバイヤーが買い付け、驚いたこともあります。
コンタクトを増やす
弊社の場合、カタログは期間中、配布せず、後日、希望者に郵送しています。会期中にすべての情報をお渡ししてしまうと多くの中の1社になってしまうので、後からフォローすることで、印象に残れると考えています。
その他、出展後には営業担当からお礼のメールを送ったり、大阪、福岡で開催する展示会のインビテーションを送ったりしてコンタクトの回数を増やすようにしています。