Tシャツプリントのライバルが異例の対談 イメージマジックと丸井織物、今後は「連携もありえる」

2023/02/16 06:29 更新


イメージマジックの山川社長(右)と丸井織物の宮本常務

 Tシャツプリントで国内を代表するイメージマジックの山川誠社長と、丸井織物の宮本智行常務が大阪のイベントで対談を行った。ライバル2社による異例のトークで市場予測や自社の戦略を語り、「今後、外資の日本への攻勢が強まる可能性もあり、タッグを組むこともあるかも」(宮本常務)と互いの連携も示唆した。

 デジタルプリント機器や資材の販売を手掛け、両社と取引のあるセルカムが、毎年行っている新春内見会の目玉企画として対談を仕掛けた。イメージマジックは都内や岐阜にプリント工場を持ち、プリント受託などを行う。一方、丸井織物は16年にオリジナルプリントTシャツの「Up-T」(アップティー)を立ち上げ、関連サービスを含め急成長中だ。

 今後のデジタルプリントを活用したTシャツの市場について、「BtoB(企業間取引)はコロナで一時落ち込んだが、回復している。必要な物を必要なだけ作るという考えが広がり、余分な在庫を持たないニーズはさらに伸びる」(山川社長)、「オンデマンドは在庫を持たないメリットがあるが、デジタルイノベーションで単価も下がっていくだろう。メーカーにもユーザーにもメリットがあり、伸びる」(宮本常務)と共通の見方。

 ライバル関係については、「日本の市場はどんどん小さくなり、削りあっても仕方がない。健全なライバル関係だが、外資が一段と入ってくれば全面タッグを組むこともあり得る」(宮本常務)、「私たちは機械やソフトウェアも提供し、いかに市場を大きくするかを考えている。大型の受注に応える場合には1社で限界があるケースもあり、同業他社と融通しあうことは大事」(山川社長)と話した。

 テキスタイル分野のデジタルプリントの可能性については、「グループの倉庫精練にはラテックスプリンターなども持って一部行っている。いくつかのことが解決すると一気に広がると見ており、ここでの投資は惜しまない」(宮本常務)、「協力先の縫製工場内にプリンターを導入し、生地プリント・縫製のオンデマンドアパレルの仕組みを強化して、想定以上に伸びている。インクの風合いや堅牢性にはまだ課題があるが、そこがクリアできれば主流になれる」(山川社長)と、両者とも注目する。

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