GSIクレオスグループでレディスインナーを手掛けるいずみ(大阪、佐藤大助社長)は、EC中心に展開するグラマーサイズ向けのオリジナルブランド「グラマープリンセス」をさらに進化させていく。もう一段のサイズの拡充、SNS活用による中国やインドネシアなどでの認知度アップなどを進める方針だ。
(山田太志)
グラマープリンセスは、前期(22年3月期)約3億円の売り上げ規模まで拡大。今期も20%増収ペースを維持する。自社ECサイトの刷新効果、サイト内で自分に合う商品を簡単に探せる「骨格タイプ診断」を取り入れたことなどが好評を得ている。リアルでの期間限定販売もすぐに予約が埋まる状況が続く。
これまでは、アンダー110センチまでの対応だったが、5月中旬にはアンダー110~140までの7サイズ、DからJまでの7カップ、合計49SKU(在庫最小管理単位)を揃える予定だ。まずは反応を見極め、生産・在庫数量などを修正していく。
海外展開にも着手。中国では旧合弁先で今も協力関係にある大連の会社を通じ、「小紅書」(RED)などのSNSを通じた情報発信を具体化。また、市場調査を行ってきたASEAN(東南アジア諸国連合)では、インドネシアが有望と見て、これも1月にSNSアカウントを開設した。3月末か4月に現地の商業施設で期間限定販売も検討している。認知度を上げた後、ECモール中心に販売を本格化する予定。特にインドネシアでは、グループの総合力を生かし、GSIの現地法人との連携が進み始めた。
一方、同社の主力事業である専門店チェーン向けは、売上高は引き続き堅調。ただ、原材料高、円安や為替判断の影響から、収益面はこの20年で今期が一番厳しい。新商品による価格の再設定のほか、ブラジャー・ショーツのセット販売を単品別売りにすることで消費者の選択肢を広げ、上下トータルでの価格を上げるなど、販売先と密接に連携しながら収益を確保していく。また、ECや自社ブランドを伸ばすことで、従来に無かった情報や企画力を、主力販売先への提案に生かすことも大きな狙いとしている。
海外生産に関しては、中国が90%、タイやベトナムが10%だったが、コロナ禍や円安のなかで、長い付き合いがあり、多少の無理も聞いてもらえる中国の比率が今期95%まで高まった。ただ、BCP(事業継続計画)の観点から一定の分散化は必要と見て、今年はASEAN生産も再構築していく。