日本政策金融公庫、24年度の総融資額減少 コロナの資金繰り支援終了で

2025/06/10 06:26 更新NEW!


 政府系金融機関の日本政策金融公庫の25年3月期の総融資額と信用保険引受額は新型コロナ関連の政府の中小事業者向け資金繰り支援策が終了した影響で、大幅に減少した。全体として、取引先の経営改善も進み、与信関係費用も減少した。ただし、「自然災害の発生や物価高、慢性化する人手不足に加え、トランプ関税の影響が不透明で、予断は許さない」(田中一穂総裁)としている。

 24年度の総融資実績は2兆9168億円(前期比10%減)、総融資残高は24兆4779億円(6%減)だった。新型コロナ関連の融資実績は相談窓口を設置した20年1月29日から前期末までの累計で131万9977件、21兆6844億円、そのうち、20年8月に開始したコロナ対策の資本性ローンは1万1885件、1兆2745億円だった。信用保険引き受け実績は、コロナ対策の借り換え保証が終了した影響などで8兆3096億円(13%減)、信用保険引受残高は、コロナ対策の民間金融機関による実質無利子・無担保融資の償還が進んでいることなどから、34兆5259億円(6%減)となった。

 与信関係費用は2605億円で、566億円減少した。中小企業向けの中小融資勘定が資本性ローン残高の増加額が緩やかになったことなどで47億円減の218億円、小規模事業者向けの国民勘定もデフォルト(債務不履行)発生の減少などによって、556億円減の2071億円となった。

 当期純損益は保険契約準備金戻入額の減少の影響で、2008億円の赤字(前期は823億円の赤字)だった。



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