ジョン・バルベイトス チャプターイレブン後売却へ

2020/05/14 06:27 更新


 【ニューヨーク=杉本佳子通信員】アメリカのファッション業界におけるサバイバル競争が加速している。チャプターイレブン(米連邦破産法11条、日本の民事再生法に相当)はこれからも増えるだろし、チャプターセブン(同7条、日本の破産法に相当)も出てくるだろう。かつては、小売業がチャプターイレブンの適用を申請しても、当面従来通り営業する形をとり、いずれ不採算店を閉店して復活するという図式が多かった。しかしバーニーズ・ニューヨークのように、最終的に店を完全になくすケースもある。

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 ブランドも、自力で生き残るブランド、チャプターイレブン後に買い手が見つかるところ、清算するところに分かれるだろう。

 先週チャプターイレブンの適用を申請したニューヨークのメンズウェアブランド「ジョン・バルベイトス」を傘下にもつジョン・バルベイトス・エンタープライズは12日、既に担保付き融資をしてきたイギリスの投資会社、ライオン・キャピタルの系列会社に売却することで合意したと発表した。この買収取引は、破産裁判所の承認を得て、なおかつ破産裁判所の監視下で行われるオークションでより高い買い値がつかなければ成立する模様だ。

 ジョン・バルベイトスは2000年に創業したメンズウェアのブランドで、アメリカ、カナダ、メキシコ、ロシア、イギリスで28店を展開するほか、6店のアウトレットストアをもつ。ニューヨークのメンズファッションウイークでランウエーショーをしたこともある。

 メンズのテーラード服とスポーツウェアは、新型コロナウイルス関連で特に打撃を受けているカテゴリーの一つだ。先週は、07年創業のメンズカスタム服のブランド「J・ヒルバーン」(ダラス)も、チャプターイレブンを申請した。

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