カケンテストセンターは、繊維・靴のサプライチェーンで環境への有害化学物質の排出ゼロを目指すZDHC(ゼロ・ディスチャージ・オブ・ハザーダス・ケミカルズ)に11月1日加盟した。
これに先立ち、10月にはサステイナブル(持続可能)なテキスタイルの調査・普及・啓蒙(けいもう)を進めるテキスタイル・エクスチェンジにも加盟している。まず、世界の最新情報を収集し、業界に提供する。国内の試験機関のこれら組織への加盟が相次いでいる。
(監物敏充)
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カケンテストセンターはZDHC製造制限物質リスト(MRSL)など有害物質ゼロを目指すロードマップに関する情報を取得、日本の繊維業界に提供する。製造工程の排水を管理する排水ガイドラインに基づくインプット・アウトプットの有害物質試験は、カケンテストセンターが提携先でありZDHCに加盟するビューローベリタスCPSの中国やASEAN(東南アジア諸国連合)などのラボで分析試験が可能だ。今後、カケンテストセンターも分析試験の認定を取得する考え。
ZDHCはオランダ・アムステルダムに本部を置き、有害物質ゼロを目指すロードマップを管理する。グローバルなアパレル・スポーツ企業、そのサプライヤー、試験機関など120社・団体以上が加盟している。日本の検査機関では日本繊維製品品質技術センターが今年初めに加盟している。
テキスタイル・エクスチェンジは米テキサスに本部を置き、オーガニックコットンやリサイクルポリエステルなどの繊維・材料のデータや市場分析、繊維産業でのサステイナビリティーに対する標準認証、SDGs(持続可能な開発目標)達成のためのツールやデータを提供し、30カ国320社以上が加盟する。ケケン試験認証センターが9月に加盟し、カシミヤ基準検討作業部会にアドバイザーとして参加している。