仏ブランド価値ランキングで「エルメス」が初の首位 カンター調べ

2026/05/27 06:26 更新NEW!


 【パリ=松井孝予通信員】調査会社カンターが発表した「ブランドZトップ50フランス2026」で、「エルメス」が初めて首位となり、「ルイ・ヴィトン」を上回った。フランスブランド価値ランキングで18年以降続いてきたルイ・ヴィトンの首位が崩れ、ラグジュアリー市場における価値基準の変化が鮮明になっている。

 ブランド価値はエルメスが1130億ドル、ルイ・ヴィトンが875億ドル。カンターは今回の結果を「歴史的転換」と位置付けた。ランキングは財務データに加え、世界54カ国・地域で実施した消費者調査を基に算出している。「シャネル」は3位、「カルティエ」は7位、「ディオール」は8位に入った。

 トップ50全体のブランド価値総額は前年比2.3%減の4950億ドルとなり、ここ数年続いた急成長は一服した。一方でラグジュアリー分野は依然として全体の約6割を占め、フランス経済における存在感の大きさを示した。

 今回特徴的なのは、ラグジュアリー市場の二極化だ。カンターによると、希少性や永続性を強みに持つ「ウルトララグジュアリー」ブランドが伸長。一方、モード性への依存度が高いブランドでは順位変動も目立った。

 特に高級宝飾ブランドの強さが際立つ。カルティエはブランド価値が18%上昇し、「ヴァンクリーフ&アーペル」は33%増と大幅に伸長した。フランス経済紙によると、背景にはラグジュアリー市場の顧客構造の変化がある。コンサルティング会社ベインによると、市場は3年間で約8000万人の顧客を失った。一方で各社は、VIC(ベリー・インポータント・クライアント)向け戦略を強化。販売数量よりも高額商品の比重を高める動きが進み、資産性の高いジュエリーへ需要が集中している。

 カンターは「価値は、希少で耐久性があり、文化的に代替不可能と認識されるブランドへ集中している」と分析する。

 価格競争力やトレンド性よりも、クラフトマンシップや時間を超える象徴性が重視される傾向が強まっている。



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