「ケイスケヨシダ」(吉田圭佑)は26日、東京都内で22年秋冬のショーを単独で行った。
会場は商店街の一角の使われていないビル。壁面のコンクリートがむき出しになって寂しげな空間だ。
冒頭に登場するのは、極端にオーバーショルダーでボリューミーなアウターの着こなし。
女性のモデルは、リフレクターテープの付いた中わたジャケットに、トラッドなジャケットを片側だけ羽織る。デイリーなアイテムを肥大化させてふっくらとした量感で見せ、ドレッシーなムードも感じさせる。自然の景色が描かれたテーラードジャケットは、ケープのように仕立てられてドレープをなす。
後半は、吉田らしいスマートなテーラードスタイルを生かしながら、ショルダーラインに柔らかなボリュームを出す。襟の部分にギャザーを入れたピンクのロングドレスは、パッドの入ったショルダーを落とし、なで肩のように見せてフェミニンな印象を際立たせる。マスキュリンなロング丈のテーラードジャケットは肩の一部をつまみ、しなやかな女性らしさを引き出す。
東京で閉塞(へいそく)感を感じていた吉田は、今年1月、カナダに語学留学していた。さまざまな経験をするなかで「環境を変えることで自分が変わると思っちゃいけないと気付いた。一歩一歩、積み上げて広がりを作っていくポジティブな姿勢を大事にしたい」と吉田。
(須田渉美)