小松精練、旧本社棟をファブリック・ラボに

2015/11/17 10:07 更新


 小松精練はこのほど、同社の開発素材や歴史資料などを集積したアーカイブ棟を開設した。ファブリック・ラボラトリー「ファーボ」と名付け、旧本社棟を改築したもので、炭素繊維複合材料「カボコーマ」を耐震補強材に使用したほか、染色廃棄物を原料にした微多孔性発砲セラミック基盤の「グリーンビズ」や各種染色加工技法を駆使した素材がラボを演出する。  グリーンビズは、壁や舗装、屋外機壁面緑化、外壁、床、屋上緑化など随所に使用されている。また、天井やカーテン、タペストリーには生地に独特の凹凸感を持たせ、見た目にも立体感が際立つ加工生地「トスポ」を使用した。このほかにも、ランプシェードや空調フィルター、ダクトなどにもふんだんに繊維素材を使うことで、施設自体を小松精練の素材プロモーションの「館」にした。  収蔵されている展示物は、同社が自販を開始して以降開発、販売した素材など。全体で約8万点が残されているが、現在ファーボに収録されているのは、パリの素材展プルミエール・ヴィジョンに出展した生地など約2万点。今後、より古い生地も開発ストーリーなどとひもづける作業を進め収録、展示する。同社の歴史を示す資料や、繊維の基礎知識などの説明と関連するサンプルなども展示する。  小松精練は、石川県などとも連携し、ファーボを産業ツーリズムの拠点施設としていく考え。 [gallery link="file" columns="2" size="medium" ids="110107,110108"]


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