コスチュームジュエリー「コチュコチュ」(クラージュ、大阪)が、口コミで年々ファンを増やしている。ビンテージボタンを敷き詰めたインパクトたっぷりのネックレスは、身に付けた途端に顔周りが華やぐ。そんな魔法のとりこになる人が続出している。
広告や雑誌でスタイリストとして活動する片山優子さんが、10年に立ち上げた。そもそもは、スタイリングのアクセントになるよう、捨てられそうだった見本帳のボタンを組み合わせてネックレスを作ったことがきっかけ。
知人の誘いでパリの展示会に出展、イタリアの『ヴォーグ』など海外メディアやブロガーに取り上げられたことを機に、日本でもオファーされるようになった。これまで伊勢丹新宿本店や阪急うめだ本店ほか、全国のギャラリーで展示販売会を開催している。
「1つでは役に立たないとされるボタンでも、集めると力強く新たな美しさが生まれる」と、片山さん自身もボタンに魅了されている。使用するのは、貝ボタン、金属ボタン、アクリルボタンなど様々。フィギュアアーティストに作ってもらったセミのボタンなど、ユニークなオリジナルも増えてきた。ビンテージのスカーフに、片山さんが一つ一つバランスを見ながら、手作業で縫い付ける。
ひとつのネックレスに1000個のボタンを使用することもある。花モチーフのガーリーなもの、きらびやかでエレガントなもの、ちょっぴり毒があるシュールなものまで幅広く、Tシャツなどの何気ない普段着にも合う。
中心価格は3~10万円で、展示会では毎回8割以上が売れている。「付けた姿を鏡で見た瞬間、少女の顔になっている様子を見るのがたまらない」そうだ。今後もファンと直接コミュニケーションできる展示販売会を重視して、おしゃれの楽しさを伝えていきたい考えだ。