職人の想いと織機引き継ぐL・E・O

2015/04/03 06:58 更新


播州織のストール 西脇に移住して物作り

 L・E・O(兵庫県西脇市、電話0795・38・8889)は2年前から、昔ながらの織機でゆっくり織り上げるストールの企画販売を始めた。代表の小泉知士さんは神戸で地場産品の店を経営していたが、播州織の職人と出会い、店は人に譲り、自らは産地である西脇に移ってストールを作り始めた。取引してきた工場主が高齢のため、織機を引き取り、4月には新しい工場を西脇に完成させる。

 小泉さんが運営していた店は元町6丁目の「コード」。兵庫県の地場産品を扱い、播州織の製品も入れていた。

 ある時、取引していた西脇の工場に行くと、機械が止まり「おっちゃん(工場主)がぽつんと座っていた」。仕事がなくなって、どうにもならなくなった時に訪問した。以前から「機から生まれた男や、と言っていた工場主の姿勢に共感していた小泉さんは、「もう一度織機を動かしましょうよ」と提案した。

 ここからL・E・Oのストール作りが始まった。主に年代物のシャトル織機を使い、細番手でやわらかな風合いを特徴とする。20~50㌢の短い色糸をつないでいるため、同じ色柄とはならず一点物になる。価格は1万~1万4000円。ネット販売と百貨店催事が主な販路だ。

 工場主が80歳と高齢で後継者もいないため、「廃棄するくらいなら引き取らせてください」と申し出た。シャトル織機6台、レピア織機、ジャカード織機各1台を新築する工場に入れることにした。小泉さん1人ではできないことも多いため、〝織馬鹿〟という職人のチームをつくっている。織機を動かす人だけでなく、糸や文様の専門家などが集まって、オリジナリティーのあるストールを作り始めている。

 3月には、新しい神戸ブランドをテーマとする「神戸セレクション8」にも認定され、知名度を上げたいとしている。今後、シャツやトートバッグなども商品化する計画がある。



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