百貨店向けレディスアパレルの今春の売り上げは厳しい状況が続いている。4月は前年をやや上回ったが、5月は前年の水準で、消費増税による買い控えの影響から脱していない。気温が上昇し、4月後半からは一気に夏物に変わったが、盛り上がりも今ひとつだ。天候に左右される面はあるものの、今後は軽衣料の適品の提案がカギになりそうだ。
昨年4月は消費税が上がった月で、婦人服の売り上げが大幅に落ち込んだため、今年4月に前年を上回るのは想定どおり。想定外だったのは、一昨年比で落としているところが大半という点で、消費の減退が確かになった。
ただ、売れたものもあり、時期ごとで傾向が現れている。4月前半は気温の低下からスプリングコートやジャケットが売れ、後半はブラウス、ニット、ボトム主体に一転した。カットソーは例年より動きが鈍い傾向にある。5月は連休前後が堅調だったが、16、17日は動きがやや鈍くなった。気温が予想以上に高く、需要の単品シフトが例年よりも目立つ。カジュアル商品も早めに動き出している。
3月も想定より厳しかったため、全体に「春物在庫はやや多め」。善戦しているブランドでは気候の変化をとらえ、トレンドに沿った新鮮な商品や、機能を取り入れた適品が提案されている。
(5月22日付け11面に商品の関連記事。詳細は繊研新聞で=お申込はこちら)