「皮」をなめすと、「革」になる。なめすのは製革業者だが、その工場は、革の直接的な源だ。この連載「上」に記したとおり、なめしは有史以前から行われている。しかし、その手法が工業化された今、なめしは環境への問題をはらむ。近年、それを解決、つまりは環境負荷を低減しようとする取り組みが広がっている。
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革の世界的環境認証
取り組みの一つが、環境認証。近年、世界に広がっているのが、LWGの認証だ。
LWGは、アディダス、クラークス、ナイキ、ニューバランスなどを主体とする靴、アパレルなどのブランドやメーカー、大手製革業者が主導し05年、英国に設立された非営利団体。会員制で会員数は474。目的は、持続可能な素材として責任をもって製造された革の使用促進。目的達成の方策が、環境認証だ。
認証の監査基準は、エネルギー消費、水使用量、排水処理、廃棄物管理、仕入れ素材と出荷製品両面のトレーサビリティー(履歴管理)、コンプライアンス(法令順守)を含む規制物質管理など17項目。また、監査基準は、欧州委員会が進める欧州グリーンディールともリンクする。
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