買い取り専門店のロー・カスタマー 地元個店と服の循環イベント

2025/12/05 11:00 更新NEW!


ロー・カスタマーの水野代表(左)、アイスリーの田中代表(中央)、古着店の松枝店長

 紹介専用ファッション買い取り専門店、ロー・カスタマー(千葉県柏市)は地元のセレクトショップでのイベントなど地域密着の取り組みに力を入れている。「ファッション好きの若い世代に気軽にワードローブを整理してもらうことで、新たな服の循環を生み出し、消費意欲の喚起にもつなげたい」(水野優太代表)と強調する。

(大竹清臣)

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新しい服を買う意欲に

 同社は4年前に創業。柏市を拠点に事務所への来店、相手先への訪問、送付などで買い取りサービスを行う。水野代表は前職のブランドリサイクル店時代から顧客と長く付き合い、信頼関係を構築することを大切にしている。主要な客層は、地元商業施設内のファッション系ショップで働く若いスタッフ。ほとんどが服好きなので転職や移住した後も利用してくれる人が多いという。

 地元でデザイナーブランドを中心に扱うセレクトショップ(アイスリー、ジェルムなど)では定期的に店頭での買い取りイベントを開いている。地元の服好きで、自宅のクローゼットがあふれかえるほどの服を持ち収納に困っている人も多いため、イベントに服を売りに来ることでワードローブの整理ができて新しい服を買う意欲がわく。こうした循環を作ることができるため、両者にとってメリットが大きいという。

 アイスリーでのイベントは店舗前の駐車場にテントを設置し、買い取りカウンターを構えた。同スペースで古着も販売した。イベント専用のオリジナルキャラクターを作成し、Tシャツやステッカーを作って、定期的に開催する予定だ。

イベントを開催したアイスリーの店舗前の駐車場に買い取りカウンターを設けた

 イベントを共催したアイスリーを運営するリコラージュの田中庸介代表は、「自分が大学生の頃、25年ほど前はフリーマーケットが全盛で個人の売買が主流だった。柏市も古着店が多かった。独立する前は古着店で働いていたので米国やタイに買い付けに行った経験もある。今はファッショントレンドも1周して親が昔着ていた服を学生が喜んで着る時代。古着の購入にも全く抵抗がなく、循環社会を強く意識するようになっているので買い取り専門店との取り組みは重要」と考えている。

イベントで古着も販売

自社の古着店も開設

 ロー・カスタマーは、服の循環の新たな事業として、24年11月末に同市内のJR南柏駅近くに古着店「ペンギンイズオールウェイズホット」を開業した。主要な客層は地元住民や近隣の大学生。「昔ながらの対面販売を通してコーディネート情報などを共有し、服に関心のある人と一緒に成長していきたい」と松枝風店長。

 セレクトショップでの買い取りイベントを通じ、地元の服好きに対する認知度を上げることは、ペンギンイズオールウェイズホットの新たな客層の開拓にもつながる。

 今後は、「地元の大学と組み、文化祭での古着のランウェーなど、ファッションイベントも開催したい。古着店が若い世代にとって服を身近に感じてもらえるきっかけになれたら。地域のサロン的な場になれればうれしい」(水野代表)と地域密着の姿勢を貫く。



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