デザイナーの川西遼平が手掛ける「レシス」は26年春夏、「ユダの裏切り」をテーマにしたコレクションを制作した。ショーに代わって、宗教絵画の原画を元にした構図で制作したビジュアルの展覧会を、東京・杉並区の書店フロットサムブックスで9月18日から開く。
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川西は20年までニューヨークを拠点に活動し、帰国して「レシス」を立ち上げた。世界の情勢が大きく変わるなか、24年春夏から、現代のアメリカを映し出すクリエイションに取り組み、26年春夏はその最終章となる。ユダの裏切り(キリストの捕縛)を題材として、米国が建国された18世紀後半や西部開拓時代などの歴史を物語るスタイルと現在の日常着を織り交ぜながら一つのコレクションを作った。

「大きな川のなかに自分の血を流してみたところで水の色が変わることがないように/極東にいる僕が何か叫んでも届くことのない小さな声にしかならない/ただそれでも諦める事なく争うエネルギーがいつか誰かに伝わるようにと信じている」と川西はコメントしている。ビジュアルの撮影は、写真集『マカロニキリシタン』などを手掛けた薄井一議氏に依頼した。23日まで。
(須田渉美)