メンズブランド「エフィレボル」などを運営するカタチ(東京)は今春に立ち上げたサッカーとファッションをコンセプトにしたショップ「LFY」で新たなファン作りを進める。サッカー用オリジナルユニフォームのチームオーダーが予想以上に好評だったことから、今後、新規ビジネスとして本格的に取り組む計画だ。
(大竹清臣)
LFYはカタチの阿久津誠治代表が友人の元Jリーガーで自社のメンズブランド「パルムドール」をデザインする久保唯史氏と共同で立ち上げた。阿久津代表は「自分も久保氏もサッカー好きでフットサルチームでプレーしていたため、得意なこと、特化したことをやりたい」との思いから、同店をプロデュースするに至った。「今はファッションよりも趣味に投資する人が多く、特定のコミュニティーとつながれれば、コアなファンから広がることも可能」と強調する。
店は東京・渋谷の小さな路面店。内装はサッカーのロッカールームやシャワー室をイメージ。スパイクやボールも展示する。品揃えはエフィレボル、パルムドール、「ナーディーズ」など両社のメンズブランドが中心となる。蛍光色のサッカーソックスなど独特の配色を日常のファッションに落とし込むことで、新しいスタイルを提案したいとしている。
オリジナルユニフォームのチームオーダー(1着1万6000円)には宅配会社やサッカースクールからの注文もあり、「想定を超えた反響で、大きな可能性を感じる」と阿久津代表。チームオーダーは埼玉県のスポーツショップと協業し、練習用シャツを含めてコーナー化してもらうとともに、カタログ販売も計画する。「チームオーダーは大手スポーツブランドにもあるが、同質化しやすいため、小規模なブランドがファッションという違った切り口で対応したほうが独自色を出せる」とみている。サッカーの少年団や学生、アマチュアのフットサルチームなど「自分たちだけのユニフォームを作りたい」という需要はまだまだ掘り起こせると見込む。