国際皮革見本市リネアペッレ26~27年秋冬 安定品質、機能性が鍵

2025/09/25 06:28 更新NEW!


プラムやアンバーウッドなどの自然に由来した色彩(リノマストロット)

 【ミラノ=須田渉美】26~27年秋冬向けの国際皮革見本市リネアペッレが9月23日、伊ミラノのロー・フィエラミラノ国際展示会場で開幕した。世界37カ国から集まったタンナー、資材、装飾パーツ、ファブリック関連の出展企業は1150社。前年9月に比べ90社ほど少なく、消費低迷による皮革産業の厳しさが反映された。安定した品質と市場ニーズをとらえた開発素材に関心が集まった。

 目立つのはプラムやティールなどの自然に関連した柔らかで深みのある色彩。軽くてふくよかさを感じる手触りも大事な要素だ。

 25~26年秋冬に続きヌバックの提案が一段と増えた。型押しなどの意匠革を強みにするコンチェリアチェルビアットの新作はシルキータッチで撥水(はっすい)性を持ったヌバックで、クロコダイルの型押しタイプも提案する。1平方メートル当たりの卸売価格は45~55ユーロ。微起毛したソフトな風合いが魅力で水もはじく。「マジックショーのような意外性」と、実用的な機能が多くのバイヤーを引き付けた。

コンチェリアチェルビットの新作。微起毛した革らしい風合いだが、水をはじく意外性と実用性が多くのバイヤーを引き付けた

 植物タンニンなめし革に特化するコンチェリア・ラ・ブレターニャも、オイルと特殊な加工を施し、撥水性を持った牛革を揃える。19年にスムース革を開発、フルグレインタイプやシュリンクタイプなどバリエーションを広げ、耐光性を持ったタイプも可能だ。1平方メートル当たり80~100ユーロと高価格だが、クルーザーなどのアウトドア用途を開拓し、伸び続けている。

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