【パリ=松井孝予通信員】第12回LVMHヤングファッションデザイナーズプライズの最終審査が、パリのフォンダシオン・ルイ・ヴィトンで開かれ、大月壮士がグランプリに輝いた。18年に同賞を受賞した井野将之の「ダブレット」、23年の桑田悟史の「セッチュウ」に続き、日本のメンズブランドが国際的に評価を勝ち取った。
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15年に自身のブランド「ソウシオオツキ」を立ち上げた大月は、柔らかな構築のスーツを中心に独自のメンズスタイルを展開する。80年代を想起させるクロスオーバーのシルエットや幅広のラペルに、襟のスリットや袖口のボタン配置など細部の工夫を加え、既存のテーラリングに新しい解釈を与えてきた。未使用の着物地を生地に転用するなど、サステイナビリティーにも配慮する。
授賞式で大月は「スーツの価値観を変えたい。日本の文化や伝統、資源を活かしたい」と述べ、奨励金40万ユーロで「アトリエを構え、職人を雇ってニットやデニムへも挑戦したい」と抱負を語った。