【パリ=松井孝予通信員】LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトングループが主催する第2回「ヤングファッションデザイナープライズ」の2次選考会が開催された。応募者から選ばれた候補者26人が、ショールームのようにコレクションを並べ、ファッション分野で国際的に活躍する45人の選考委員にプレゼンテーションした。日本から唯一選ばれた「リトゥンアフターアワーズ」の山縣良和は、高い評価が得られたようだ。絞られたファイナリスト8人の中から、5月末に開かれる最終選考で、大賞が決定する。
この賞は、LVMHが40歳未満のプロの若手ファッションクリエーターの育成と支援を目的に、13年11月に創設した。初回はカナダ人デザイナー、トーマス・テイトが大賞を受賞。「ルイ・ヴィトン」のエグゼクティブ・バイスプレジデント、デルフィーヌ・アルノー氏は繊研新聞社の取材に対し、「ファッション産業のリーダーとして、若い才能を支援するために創設した」と改めて強調し、「コンセプトはオープンで、国籍を問わず世界のクリエーターの誰もがインターネットで応募できる。
一次選考は1000人近い応募の中から、カール・ラガーフェルド、ラフ・シモンズ、ニコラ・ジェスキエール、リカルド・ティッシらで構成する委員会が候補者を選出した」と説明した。
同賞は創設から、支援体制が注目された。「賞金30万 ユーロ だけでなく、LVMHの人材による1年間のコーチングが受けられる。生産、流通、マーケティング、コミュニケーション、知的所有権などの全ての質問に答え、ビジネス面をサポートする」(アルノー氏)と、クリエーターに必要とされるマネジメント力育成の重要性を説いた。
1次選考を通過した26人の候補者については、「2年連続で候補に残ったクレイグ・グリーン、ジャックムス、マルケス・アルメイダの成長にとても興味があった。昨年よりメンズとストリートウエアが増え、国籍が広がり、日本人も選ばれている」と山縣良和を挙げ、私塾「ここのがっこう」への関心を示した。また、川久保玲と「ルイ・ヴィトン」のコラボレーションの成功に触れ、「来年はもっと多くの才能ある日本人クリエーターの応募を期待している」と語った。