今秋、英国の伝統を守りながら
劇的にブランドを一新
「マッキントッシュ」、ラグジュアリーブランドへの挑戦
◆ファッショニスタが支持した、タフなゴム引きコート
「マッキントッシュ」の起源は、1823年にチャールズ・マッキントッシュが世界初の防水布「マッキントッシュクロス」を発明したことにさかのぼる。雨の多い英国特有の気象条件や文化的背景から、タフなレインコートとしてゴム引きコートは誕生した。ブランドの象徴であるゴム引きコートは、英国だけでなく、世界のファッショニスタから支持を受け、日本でも感度の高いセレクトショップ、業界関係者に知られることになった。
八木通商が独占輸入販売権を取得したのは1998年。以来、セレクトショップの成長と歩みを同じくして人気ブランドへと駆け上がる。2007年に英国のマッキントッシュを子会社化、2009年4月にはマッキントッシュジャパン社を設立し、2012年8月には東京・青山に日本初の旗艦店をオープンした。そして今年、マッキントッシュ社のディレクションのもとで三陽商会の「マッキントッシュ・ロンドン」がデビューを果たす。
◆〝原石〟を磨き上げ、人気ブランドを生み出す
八木通商といえば、〝原石〟とも言えるブランドを見つけ出し、磨き上げ、人気ブランドへと育てていくノウハウを持つ日本でも稀有な存在だ。ダウンウエアブランドで圧倒的な人気を誇るモンクレールの日本での事業拡大に関わり、エクセレントプロダクトからラグジュアリーブランドへと駆け上がる10年間を共有したことも同社の強みと言えるだろう。「マッキントッシュ」についても、マッキントッシュ社を買収後、ラグジュアリーブランドに育てるべく準備をしてきた。15年秋冬物コレクションからは、その方向性をより鮮明にして、あらゆるブランド要素を一新している。
◆ブランドラベルは、ダークブラウンからホワイトに
「マッキントッシュ」の最新コレクションは、メンズ、レディスともにクラシックさが影を潜め、コンテンポラリーな要素が強調されている。やわらかでミニマルな印象だ。コートのシルエットは、従来のAラインからコンパクトなIラインに変更され、より身体のラインに沿うようリモデルした。ブランドロゴも文字間やサイズバランスを細かく調整し、ラベルもダークブラウンからホワイトに変えるなど、あらゆるブランド要素が洗練され、高級感を増した。よりクラシックでオーセンティックなイメージの「マッキントッシュ・ロンドン」との違いを強調しながら、ブランド全体のイメージアップ、事業規模の拡大に取り組んでいく。
ファッション・ラグジュアリー
ブランドラベルがダークブラウンからホワイトに変わり、
「マッキントッシュ」が持つ静的で着る人を引き立てるシンプルな魅力はそのままに、
よりファッション、ラグジュアリーな雰囲気を感じさせるコレクションに。
コレクションのほとんどをアウターウェアが占めるが、コーディネート提案として
スーツ、シャツ、シューズ、バック等も展開する。
クリエイティブディレクターを擁する
ファーストラインのデビューも噂されている。
◆ロンドン旗艦店から、世界に向けてブランド情報を発信
青山店のストアデザインも、新しいブランドアイデンティティーを表現するものに変更された。8月29日にリニューアルオープンを予定。ロンドンの旗艦店は、9月中旬にメイフェア内のマウントストリートからコンドゥイット・ストリートへ移設オープンする。新たなショップは大理石の白を基調とし、シルバーに輝くクローム製のケースが並ぶラグジュアリーな空間に変わった。
ラグジュアリーブランド、グローバルブランドに向けた販売体制も充実させている。ロンドン旗艦店では既存のショールームを従来の3倍のスペースに拡大し、ニューヨークでも新たなショールームをオープンした。このほか、新たなクリエイティブディレクターの起用や、パリでのショールーム開設を検討するなど、ブランド情報の発信を着々と準備している。
「ラグジュアリーブランドへのロードマップは明快です」
-マッキントッシュジャパン・代表取締役専務・COO 八木洋三氏
「マッキントッシュ」のブランディングを始めたのは2003年です。当時から、強いブランドを創ることで競争優位なビジネスを構築することを目標に、多くの困難を乗り越えて成長を続けてきました。そして15年秋冬シーズン、〝「マッキントッシュ」が、ラグジュアリーブランドに成長するフェーズのスタート地点〟と捉え、ブランド要素を一新しました。
英国のマッキントッシュ社では、ラグジュアリーブランドになることを目標に定め、コレクション、インテリア、クリエーター、ブランディング、マーケティングミックス、組織をゼロベースで見直しています。さらに徹底した議論をもとに施策を打ち出し続けています。しかし、グローバル市場でラグジュアリーブランドの〝リーグ〟に入って競うことは並大抵ではありません。ラグジュアリーという概念は、コスト・パフォーマンスの対極にあるもので、〝どえらく、すごいもの〟でなければなりません。多額の投資も必要とします。
私たちは、ラグジュアリーブランドを実現する明確なロードマップを持っています。その道のりは険しくも楽しいものになると確信しています。
マッキントッシュのビジネス戦略ー2
Discussion:「マッキントッシュ」はラグジュアリーブランドになれるか
に続きます。
+‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+
これらのコンテンツは、2015年8月25日付け繊研新聞掲載のラッピング広告
「繊研新聞×WWD JAPAN 2つのマッキントッシュの可能性を検証します」
から抜粋しました。
=全面広告・表1、表4=
=全面広告・表2=
=全面広告・表3=
+‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+
8月24日付けWWDジャパン紙面では、商品情報を紹介しています。
繊研新聞に掲載のビジネス戦略と併せて、ご覧ください。