大阪・中之島フェスティバルタワー・ウエストに今年4月オープンしたレディスセレクトショップ「マガタマ」(運営はイシダ)は中之島から文化、ライフスタイルを発信しようとしている。そこでテーマとするのが変わる中高年のライフスタイルと、世界のセレブリティーとの交流だ。
(古川富雄)
中之島はかつて“東洋のマンハッタン”と呼ばれ、文化、経済、情報の中心地だった。今、周辺にはタワーマンションが次々建設されている。入居するのは、郊外の家を売却して引っ越してくる中高年たち。
大阪都心部で増えているタワーマンション
イシダの石田秀社長兼デザイナーも、都心部のタワーマンションに移り住んだ。「セキュリティーはいいし、どこにでも地下鉄で行ける」のが理由だ。自宅からマガタマまで朝は歩いて行く。パンプスだとつらいため、スニーカーを履く。ところが、軽くて洋服に合うおしゃれなスニーカーがなかなか見つけられなかった。ここに、ニーズがあると気がついた。
シルバー世代、高齢者と一くくりにしないで、「都心のタワーマンションに移り住む人たちのライフスタイルをサポートしよう」と考えた。マガタマにはオリジナルのレディスウェアやアクセサリー、インポートのバッグなどが並ぶ。今後、都心ライフスタイルを始めた人たちに向けて、商品開発も予定している。
また、店内ではいつも日本の現代アート作家の作品を展示する。目の肥えた中高年に、気軽にアートや文化を楽しんでもらう。
常に現代アート作家の作品を展示する「マガタマ」
マガタマが入るビルには9日、ヒルトングループの最高級ホテル「コンラッド大阪」が開業した。世界から富裕層の訪問が見込まれている。マガタマが日本の現代アートにこだわるのは、ここにも理由がある。日本の文化に触れてもらうことで、世界各地にファンをつくろうと考えている。
イシダ秀社長兼デザイナー
石田社長はニューヨーク工科大学(FIT)に留学、米ニューヨークメイヤーデザインスクールを卒業した。以前から中之島のリーガロイヤルホテルにブティックHIDEを持ち、海外要人などとの国際交流セミナーを開いている。アーティストの作品を紹介する文化サロンも続けている。マガタマと併せ、中之島から文化を発信し、新しいライフスタイルの提案、海外顧客との交流で独自性を出していく。