マヴェリック(東京、丸山祐貴代表)の「メゾン・マヴェリック・プレゼンツ」は、従来の型にはまらない商品や売り方に挑戦するレディスブランドだ。「お客様に喜んでほしい」という思いを第一に、19年秋冬にブランドをスタート。海外進出も考えている。
(石井久美子)
ブランドの方向性として、丸山代表は「『この服がほしい!』と独占欲を抱いてもらえるような商品を作れたら。恋愛にも少し似た感覚かもしれない」と話す。トレンドはあまり意識せず、「ブランドの感覚を分かってもらえる人に手に取ってもらいたい」とも。
自由なスタンス
長年、アパレル業界にいた丸山代表が独立して会社を設立、HINANOさんとともにブランドをスタートした。社名、ブランド名に付けたマヴェリックは、英語で(何かに)属さない、一匹おおかみという意味だ。そんな自由なスタンスをブランドでも表現している。
丸山代表自ら商品のデザインを手掛け、「こんな服がほしいんじゃないかとか、着る人の笑顔を想像しながら企画している」という。20年夏物は、リラックス感のあるカットソーアイテムや、柄物のスカート、ワンピースなどが揃う。ノースリーブのロングトップはサイドにペーズリー柄のプリーツ生地を挟み、1枚で様になるデザイン。アイテムではパンツを得意としており、1万5000~1万7000円が中心。細かくプリーツを入れたパンツは、裾回りをすっきりさせたペダルプッシャーのシルエットにした。
スニーカー好評
ブランドロゴを入れた商品が多いのも特徴だ。ビニールのラベルを縫い付けたり、ウエストのゴムテープ部にもロゴを入れてブランドのイメージを発信する。マークはよく見るとオオカミの顔のシルエットという、ユニークな仕掛け。4月以降、メンズ商品も始める予定だ。
オリジナルのスニーカーもあり、すでに反響が大きいという。こちらもブランドロゴをデザインに取り入れ、ボリュームソールとクリア素材の組み合わせなどがスタイリッシュだ。1万円台半ば~1万円台後半が中心。非常に好評なため、海外でも打ち出したい考えだ。
現在の販路はセレクトショップが中心。商品本体だけでなく、納品時のパッキンの箱のデザインやテープ、商品を入れる袋にもこだわる。箱を開ける時に販売スタッフが「この商品を売りたい!」とわくわくしてほしい、そんな思いを1点1点に込めている。将来的には米国や欧州に事務所を設けて、海外の消費者にも届けたいという。