「メゾンバース」は、帽子企画卸のピリオド(東京)が作るユニセックスの帽子ブランド。国内工場の高い技術を生かして作る洗練された帽子が、高感度な大人の男女に支持されている。17年春夏物では、ギフトを意識したパッケージ入りの帽子を出すほか、沖縄で作る琉球パナマの販売にもチャレンジする。
落ち着いたカラーリングと本格的な仕様で上品にまとめるのを得意とし、来春夏物ではアバカブレードとケンマ草を組み合わせたハット(2万2000円)などを作った。すぐに完売してしまう「B」のロゴ入りの定番のキャップ(9500円)は毎シーズン、色や素材を変えて提案。来春夏物ではブルガリアのミリタリークロスを使用した。
来春夏物では初めて、ギフトニーズを意識したパッケージ入りのアイテムも出す。90年代調のちょっぴりスモーキーなカラーリングで、洗いをかけてくたっとさせたキャップ(7000円)とリネンコットンのニット帽(6000円)で、海外の生活雑貨店で使われるような紙袋に入れて販売する。
主な販路はセレクトショップと百貨店。メンズっぽさの強いテイストが「他にはない」と、特にレディスのバイヤーの受けが良く、卸先はレディス7割、メンズ3割となっている。ハットの内側にはサイズを調整できるアジャスターを付けているので、カップルで一緒に使える点も支持されている。
新しい挑戦として、かつて沖縄で作られていた琉球パナマの復刻にも乗り出した。清原世太ディレクターが古い本で知って興味を持ち、自ら琉球大学に資料を見に行くなど約4年かけて地道に資料を集めてきた。
琉球パナマは貝で磨いて出す艶とぎっしりとした見た目に反する軽さが特徴。沖縄に自生しているアダンを原料とするため、「帽子の素材は国外産がほとんどのなかで、本当のメイド・イン・ジャパンを作れる」と目を輝かせる。しかし、琉球パナマは100年ほど前までは世界でもエクアドル産のパナマハットと同等ランクとされていたが、今では沖縄でも一人しか作れる人がいないという。復刻して販売できれば、編み手を増やして現地に雇用を生むこともできる。そのためにも「琉球パナマを広めて、産業として活性化させたい」と意気込む。
メゾンバース、ユニセックス帽をギフト提案
2016/12/19 06:00 更新