22~23年秋冬パリ・コレクション マメ・クロゴウチ、大地のストーリーを服に

2022/03/04 11:00 更新


 マメ・クロゴウチは、東京・上野の法隆寺宝物館の池のほとりでショーを行った。日没後の水面の静かな光を背景に、無機質なランウェーを緑と茶のテクスチャーが温かく彩った。今季も前シーズンに続き、「ランド」をテーマに、デザイナーの故郷の長野から着想してストーリーを深めていった。今シーズンをひも解くキーワードは、山のテクスチャーと縄文。どちらかというと華奢(きゃしゃ)なイメージが強かったマメのコレクションから、大地に包まれているような力強さと生命力が伝わってくる。

 その強さを象徴するように、冒頭は滑らかな曲線のパンツスーツから始まった。そこから次第に、温かみのある表情豊かなミニスタイルやセットアップが登場する。ブラウンやグリーン、カーキなどたくさんのアースカラーを重ねて野山の色を表現したもこもこのプルオーバー、緑の里山と空を描いたチャンキーニット。それに大胆なミニスカートを合わせて、軽快に歩を進める。クラシカルなストレートドレスの肩には、ミクロな視点でとらえたコケの刺繍。ミリタリーコートやレースのアシンメトリードレスには、縄文土器の文様が落とし込まれている。雄大な自然と歴史を背景にしたコレクションは、物語を読んでいるような気分にさせる。そんなプリミティブな要素に、人工的なネオンカラーのタートルネックやヘアバンドを組み合わせて現代的に仕上げた。

マメ・クロゴウチ
マメ・クロゴウチ

(青木規子)

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