「マーク・ジェイコブス」の27年春夏コレクションは、コンパクトなシルエットに様々な色を重ね合わせて、とてもクールでエッジーなルックを作った。洗練されているが、挑戦的でもある。そのバランスが絶妙だ。
冒頭はタンクトップと細身のパンツ。それを光沢のあるセロハンのような素材で仕立てたシャツとパンツで覆う。透ける素材の上から透明な素材で作ったちょっとレトロなチェーンベルトを巻く。襟元はプリントのスカーフで覆い、ネックレスを重ねる。ジェイコブスはリリースでテーマを「感謝」とし、自分の人生を密かに支えてくれた人々や経験への恩返しとして、「ほんの少しの光、輝き、彩り、美しさ、そして喜びを届けたい」とつづった。

中盤以降はボディースーツにマイクロショーツを重ね、さらにシアーなシャツやスカート、スリップドレスを重ねたバリエーション。色で遊ぶ分、アイテムはベーシックなスタイルが多い。ジャケットの一部は大胆なブレードで存在感を持たせた。タックで立体的な膨らみを入れたディテールも登場するが、これまでのシーズンと比べるとその量感はかなり抑えている。

WHPグループに買収された後の初のショーで、客席にはマーク・ジェイコブスとしては珍しく土産が置かれていた。「マーク・ジェイコブス・ビューティ」の口紅、頬紅、アイシャドーなどのカラーコスメが中心で、アイライナーはピンク。やはり色で遊ぶことを提案したシーズンなのだ。
(ニューヨーク=杉本佳子通信員、写真=Dan Lecca)
