30年の時を越え、早大K2登山隊の肌着

2015/10/02 11:38 更新


 1981年、世界で最も登頂が難しいといわれるカラコルム山脈の高峰、K2に西稜ルートからの世界初登頂に成功した早稲田大学K2登山隊が実際に着用した、ドイツの「メディマ」ブランドの肌着が見つかった。

 保管していたのは同登山隊の隊長を務めた松浦輝夫さん(70年に植村直己氏とともに日本人で初めてエベレストの登頂に成功した登山家)ら。昨年秋、松浦さんが大阪の百貨店に来店し、「メディマの肌着には非常にお世話になった」と名刺を置いていったことを機にメディマ・ジャパンが松浦さんに連絡を取り、30年以上前の肌着が残っていることが分かった。

 メディマ・ジャパンの吉田清営業部営業本部長は、「肌着を提供したのは、当時メディマを輸入販売していた百又。ただ、メディマ・ジャパンに輸入販売が切り替わったときに資料が引き継がれなかった。そのためこの事実は全く知らなかった」という。

 百又がK2登山隊に提供した肌着は、アンゴラ40%・ウール30%・ナイロン30%の「ビタ」というシリーズ。タグには西ドイツ製と表記されている。松浦さんらは、「4カ月間同じ肌着を着続けたが、汗をかいたり雨に濡れてもさらりとしている。今の命があるのはこの肌着のおかげ」と話しているという。吉田営業本部長は「メディマ製品や天然素材の力を改めて見直した」と話す。

 メディマ・ジャパンは当時の写真や資料の提供を受け、このエピソードを今秋冬の販促活動に活用する。

K2登山隊が実際に着用した肌着
K2登山隊が実際に着用した肌着


この記事に関連する記事