《技/人 国内工場の今》都内一貫生産の機動力とスピード強み
「カットソー作りの駆け込み先」と呼ばれるほどの機動力とスピードと企画・技術にたけた東京都内工場のメディアス(東京、電話03・6456・1311)は営業にパタンナーが同行し、パターン、企画、デザインも提案し、オリジナル生地の開発提案も行う。「営業担当者が最後の洗濯仕上げ、納品まで責任を貫くのが弊社の生き方」(北川博治社長)だ。
質を下げない
近年「展示会サンプルを2日で欲しい」などの駆け込み依頼が増えている。加えて、作るために「どの生地を用いるのか、何の加工をするのか」など「生産過程を理解していない難しい要求と発注単位の細分化が目立つ」と嘆く。最近は、発注先社員と同世代の20代社員で感性が共有できるためかブランドのODM(相手先ブランドによる設計・生産)依頼も多い。受注した若手も質を下げない取り組みを貫いている。
展示会サンプルは基本的に企画をもらってから5日間で届ける。営業は受注した者が担当になり、社内指示書を作り、パターン作りとサンプル裁断・縫製する。量産の場合は海外向けの仕様書も作る。サンプルや納品前は自ら検品することで質に責任を持つ。
染色工場の協力により、オリジナル別注生地は、綿製品であれば1反からでも可能だ。洗濯試験も可能で縮率も計算する。
07年4月、北川さんが独立。物作りの面白さに目覚めた18歳からなじんだ墨田区向島に自分の工場を設立した。特徴は企画・技術力と機動力を併せ持った「メード・イン・トウキョウ」の工場だ。「独立した07年頃はマルキュー系レディスブランドを中心に24時間体制で生産した。プリント物は月間600~700型を作り必死にこなした」