韓国ヘアアクセサリー「メラ・ビアンカ」 クラシック×流行で持続的に

2024/06/10 06:29 更新


 「Mela Bianca」(メラ・ビアンカ)は韓国のヘアアクセサリーブランドだ。デザイナーは伊ポリモーダ校を卒業したジョン・ジヒョンさんで、CEO(最高経営責任者)でもある。イタリアの生活で「感動を受けた」感性やアンティークの要素と、韓国のトレンドを掛け合わせたアイテムを作る。日本では販売実績がなく、今後、販路を開拓したい意向だ。

(関麻生衣)

アンティーク軸に

 21年に前身の「バイ・タミー」から現在のブランド名に変えた。デザインは一貫してクラシックやアンティークをベースにしている。「韓国はトレンドに流れやすい」。古くから受け継がれてきたデザインを徹底するのは、会社を安定的に運営する上で「トレンドを追って大量に生産して低価格で売り、トレンドが終わったら売れずに廃棄するのではなく、流行に左右されない商品を作る」必要があると考えたため。

 半面、「持続的な事業のためには、特にMZ世代(ミレニアルとZ世代)を意識していかなければ」と韓国のファッショントレンドも加える。最近はリボンのディテールや装飾だ。例えば、リボンのメタルモチーフを付けたシュシュは、アンティークな雰囲気になじむようサテン仕上げのメタルを使った。

最近の注目はリボンモチーフだ

 商品は「自分たちの理想の色や形で作り、品質を管理する」ため、50~60%をハンドメイドする。中心小売価格は2万~3万円で、販路は主に百貨店。正規店は4店で新世界百貨店とロッテ百貨店にあり、ギャラリア百貨店や現代百貨店などのオンラインストアにも出店する。最近では、ECで販売する2000~3000円の商品も揃え、MZ世代への訴求も強めている。

MZ世代向けにECで2000~3000円のアイテムを充実

伝統素材取り入れ

 「デザイナーとしてできるだけ多くの人に商品を見て欲しい」との思いから、世界進出に意欲的だ。現在、中国の空港免税店、三亜内の韓国ブース(運営はKOTRA=大韓貿易投資振興公社)で販売。シンガポールで2回期間店を開き好評だった。今後は日本の百貨店や「東京・表参道でデザイナーブランドを扱うセレクト店」などでの販売を目指し、タイや台湾、香港も視野に入れる。

 新しい挑戦もする。持続性への考えから「韓国の伝統的な素材や柄を取り入れてみたい」。年内には、韓国の企業と廃材を活用した商品を出す計画だ。

「韓国で日本人を採用したこともあり、日本には縁を感じている」とジョン・ジヒョンさん

(繊研新聞本紙24年6月5日付)

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