コロナ禍でアパレル製品の消費が低迷するなかでも、メンズのドメスティックブランドが元気だ。カギは20~30代の若い男性たちの美意識の高さ。普段使いのテーラードスタイルが定着し、型にはまらない新しいセンスが響いている。ブランドと卸売り先とが連携して情報発信し続け、ECでも高単価な商品が売れている。
(須田渉美)
セットアップ人気
この数年、20代のファッションユーチューバーによるセレクトショップが、目立つことが好きな客層を引き付けていた一方で、「さりげなくおしゃれ」でありたい男性は多い。情報のキャッチに慣れている世代で、自分の価値基準でブランドを選ぶ消費者が増え、マーケットが活性化している。
20年に売れ行きが好調だったブランドに共通するのは、セットアップの消化率の高さ。品の良さを感じさせて程よく個性のあるデザインがポイントだ。派手さよりも、ディテール、仕立て映え、機能性など物作りのこだわりが見えることが重要で、インフルエンサーやタレントを起用した販促は、認知を広げるきっかけに過ぎない。コロナ禍の前から、じわじわと販売を広げていたブランドが、外出自粛によるインターネットの利用増でさらに注目され、実店舗とECともに伸びるに至った。
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