《めてみみ》沖縄の面白さ

2017/08/03 04:00 更新


写真はイメージです

 7月半ばの土曜日の夜。沖縄・那覇の国際通りは夕食をとる店もないほどの混雑だった。道行く人々の半分以上は訪日外国人のようだった。沖縄全体の統計でも、62%が中国、香港、台湾からの客人で、特に台湾は36%と圧倒的な多さ。格安航空会社やクルーズ船の増加と共に、さらに増える見通しだ。

 厳しい市況のなか、「期待できるのは訪日外国人だけ…」との声をよく聞く。沖縄は観光客もすごいが、人口も増えている。出生率は全国平均の1・45人に比べ1・96人、一昨年の国勢調査の人口増減率は2・9%増。東京の2・7%増を除けば断トツの数字で、65歳以上の高齢者の比率も少ない。

 あるアパレルメーカーの担当者に全国で一番良い店はと尋ねると、即座に「サンエーさんの那覇メインプレイス」という声が返ってきた。同店のある、おもろまちには国内で唯一、日本人旅行者でもパスポート無しで買える大型免税店があり、ここも観光客でにぎわう。19年には浦添市でパルコとサンエーグループの合弁による大型商業施設も開業予定だ。

 成長の機軸がなかなか見当たらないなか、海外市場に目を向ける動きは強い。とはいえ、よほどの差別化商品は別として、そう簡単に進まないのが実情。中華圏市場を狙うなら、元気な沖縄からチャレンジするのも面白そうな気がする。



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