《めてみみ》面倒くさがりを狙え

2018/12/25 06:24 更新


 アパレルメーカーが立ち上げる新ブランドは、当然のように「ファッション感度が高い」層をターゲットにしてきた。ファストファッションで手軽にそれなりの格好ができる時代。感度は平準化してきて、そんなに大きな差があるだろうか。

 特に、大人の男性で〝おしゃれ〟ばかり気にかけている人はどれだけいるのだろう。一部の〝ファッションオタク〟を除けば、服装に無頓着な男性が大半ではないか。だから一般のビジネスマンはスーツさえ着ていれば楽だった。だが、クールビズの定着によるオフィススタイルのカジュアル化でコーディネートの悩みが深まった。

 今秋冬スタートしたエクスプローラーズトーキョーの「アンビルトタケオキクチ」は、「毎日コーディネートを考えるのが面倒」など時間・空間・コストを合理化したい男性が対象だ。従来のファッション好きとは一線を画す。オーダーメイドのセットアップを軸に、インナーから靴、小物まで24種類のコーディネートを選べるようにした。

 面倒くさがりでも、自分を良く見せたいという思いはあるはず。これからは、ファッションに関心のない多くの人たちをどれだけ目覚めさせるかが重要になる。狭い意味での洋服だけにこだわらず、異業種と組むなど多角的なアプローチによって消費意欲を刺激しなければならない。



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