《めてみみ》長期化の懸念

2020/03/03 06:24 更新


 政府の新型コロナウイルス感染拡大に伴う一斉休校を受けて、百貨店の営業時間の短縮や臨時休業が相次いでいる。物産展など大型催事も中止となった。顧客や従業員の健康と安全確保、感染拡大の防止をはじめ、従業員の時差出勤、休日取得を促す。従業員や取引先の勤務者の感染が確認されていない中で「異例の営業条件の変更」となった。

 三越伊勢丹グループは3月2日から営業時間を午前11時~午後7時に短縮し、緊急事態宣言が出された北海道の丸井今井札幌本店など3店を1日、食品フロアを除いて臨時休業した。大丸松坂屋百貨店は全店で3月の3、10、17、24日の4日間を臨時休業する。その他の百貨店も3月の中・下旬にかけて営業時間を短縮する。

 松屋は6、7日に銀座本店で開催する「創業150周年春の松美会・感謝祭」を取りやめる。京王百貨店は9日、小田急百貨店は20日に予定するホテル催事の中止を決めた。物産展をはじめ「人が多く集まる大型催事は当面、見直しせざるを得ない」という。

 最も悩ましいのは「感染拡大の終息時期が見通せない」こと。店内の清掃、アルコール消毒を実施しているとはいえ、感染リスクのある店舗での営業を続ける以外に選択肢はない。今後、「新たな営業施策の追加が必要になる可能性がある」。影響の長期化が懸念される。



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