《めてみみ》遣欧岩倉使節団

2020/08/05 06:24 更新


 今から約150年前、総勢100人を超える一行が横浜港から旅立った。教科書でも習った「遣欧岩倉使節団」である。欧米の先進国を調査、研究しながら富国強兵を急ぐのが第一の目的。併せて江戸時代に結ばれた不平等条約の改正を目指した。

 公家の岩倉具視を筆頭に、木戸孝允、大久保利通、伊藤博文などの面々が揃う。政府首脳が2年近く国を留守にすることとなる。今では想像できないが、国の形を根本から変えようとする人々の意気込みが感じられる。

 出発前、服装を巡り激論があった。江戸時代からわずか3年余り。普段着、海外の首脳との会見やパーティーの装いまで洋服の知識は皆無に近い。最後は大半が三つ揃えの洋服に落ち着くが、公家の岩倉だけは譲らず、昔ながらの公家衣装で出発した。

 最初の訪問国である米国で一連の行事が始まる。慣れぬ洋服での仕草はぎこちなく、合わない革靴で歩くことさえ不自由な人も。一方、岩倉の公家装束は、異国趣味もあってか、上々の評判。何より、着慣れた衣装の堂々とした振る舞いに米国人は感動したとの記録が残る。

 明治維新、敗戦に次ぐ第三の転換期と言われる日本。コロナ禍もあり、企業のあり方や働き方改革の議論が叫ばれる。変えるべきことを変えながら、守るべきことは守る。冷静な議論が何より大事になってきた。


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