《めてみみ》年の初めの縁起物

2026/01/13 06:24 更新NEW!


 松の内を過ぎれば門松やしめ縄飾りを片付け、正月も終わる。東京は7日まで、関西は15日までが松の内とされる。松は常緑樹で枯れず、青々とした葉が生命力や長寿の象徴として飾りに用いられた。平安時代の貴族らが正月に松の若木を抜いて長寿を願った風習がルーツで、後に松飾りに変化したという。

 おせち料理の黒豆(まめに働く)、昆布巻き(喜ぶ)、子孫繁栄を願う数の子と、年の初めは何かと縁起をかつぐ。今では新年のセールを意味するようになっている初売りも、縁起がいい「事始め」の1月2日に行われた年始の商いで、江戸時代後半には定着したという。

 関西の商売人にとっては1月10日前後に開かれる十日戎(えびす)が知られる。七福神の一つである「えびす」は漁の神が転じて商売繁盛の神となり、福をかき集める「熊手」や、成長が早く折れにくい笹を用いた「福笹」を飾るのがならわしだ。

 そういいながら我が家ではいつからか卓上におせち料理は並ばなくなった。商店や家々をまわる獅子舞や、自動車のしめ縄飾りのように最近ではすっかり見かけなくなったものもある。縁起かつぎや神頼みだけで人生や商売がうまくいくわけではないだろうが、年の初めに心新たに1年の幸運を願う気持ちは忘れずにいたい。十日戎は11日を「残り福」と呼ぶ。遅れてでも縁起物にあやかりたいものだ。



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