夏の軽装を推奨する「クールビズ」が始まって以来、スーツ需要は減少傾向が続く。さらにコロナ禍で拍車がかかり、オフィススタイルのカジュアル化に歯止めがかからない状況だ。今夏は、仕事着としてハーフパンツを本格販売する紳士服専門店も出てきた。
同様に、リラックスしたパンツスタイルを求める消費者が増え始めた。ウエストがゴム仕様のイージーパンツが市場で広がったため、ベルトをしないことがスタンダードになったと言ってもいい。そのため、スーツに合うような本革製の紳士ベルトの需要も激減してしまった。
こうした中で、国内でのベルト作りを守ろうと奮闘する企業がある。東京都葛飾区で、来年60周年を迎える長沢ベルト工業だ。同社では「消費者がベルトに求めることは何か」という問いに誠実に向き合ってきた。その結果、長く愛用できる本革製でありながら、そこにゴムの芯材を入れることによって、コンフォート需要も満たせる伸縮性の高いベルトの開発に成功した。
自社ブランドによる伸縮ベルト。その魅力を、一般消費者に直接伝えられる百貨店での期間限定店に力を入れている。地道な販売活動の結果、徐々にリピーターが増え、売り上げも伸びている。メタボリックな体形のためイージーパンツばかりの記者も、久々にベルトを締めてみたくなった。
