今月再び7万円を超えた日経平均株価。バブル経済期の89年に3万8000円台を記録したが、この水準を超えたのが24年の初頭。実に35年を要した。直近では再び7万円を割り込んでいるものの、2年あまりで倍近くになった。AI(人工知能)・半導体関連への投資の集中、日米金利差に伴う円安や輸出の好調、インフレの進行と様々な要因が重なる。
バブル期を実体験した人は若くても還暦前後となる。記者は社会に出てすぐの頃。新人の給与も高くない時代で、あまり恩恵を受けた覚えはない。ただボーナスの額に喜ぶ先輩の姿を今も記憶する。
それに比べ、今の株高はだいぶ雰囲気が異なる。NISA(少額投資非課税制度)の恩恵を受けた人も周りに少なからず存在するが、堅実な生活を続けている。物価高に加え、少子高齢化など将来不安が大きいからか。国際紛争や天災の多発も、景況感のテンションを下げる要因だろう。インフレによる「株高不況」という言葉も現実味を増す。
株価は企業の通信簿ともいわれるように、重要な指標の一つではあるだろう。ただいくら株価が高くても、消費者が将来への希望や好景気を実感できなければ、財布のひもは緩まない。家計消費の中の「衣服及び履物」への支出は、6年ぶりに1万円を超えたものの、デフレ下の10年代よりも低い水準が続いている。
